佃祭
あんな(こんな?)状態で、師匠にご指導いただくのは、実はとてつもなく失礼なこととは知りながら、一度人前で演っておかないと・・、ということもあり、「佃祭」の稽古をしていただきました。
師匠に、ご報告も兼ねて、当日会場で配布する予定の「お江戸OB落語会」のプログラムを1部お渡ししました。
「あ~ぁ、例のやつだね。う~んいい(番組だ)ねぇ。」と師匠。
3月の発表会に、先輩の蕪生師匠がご来場くださった時に、師匠に「5月には、あたしもやりますから。」と仰ったとか。
「そうなんです。あれなんです。」と私。
「・・・それで師匠、そのぉ、私の『佃祭』なんですが・・。」
「あぁぁ、いいよ。演ってみてよ。」と師匠の温かいお言葉。
・・・・師匠のブログで、こんなコメントを頂戴しました。
させ稽古、流三[佃祭]。
噺の稽古の基本の一つ。
噺の状況を思い描き、感情を掌握、言葉を覚えることを
理解してくれている。
後半、船頭が次郎兵衛の家の前まで送りに来て上がら
ずに帰るという不自然さが残るのを解消したいと、提案。
そうなんです。
勿論、稽古はボロボロだったんですが、師匠から何ヶ所も駄目出しやご指導をいただきました。
(プロの噺家さんでも多いが)酒を飲んだり、食べたりする時に、口で音を立てたり、舌などを鳴らしたりするのはあまり関心しない。
終い船に乗ろうとしている次郎兵衛さんの袂をおかみさんが掴んで止めるところは、「引き上げられた」ではなく「引き止められた」に。
(後のシーンで死骸が引き揚げられるのと区別も必要だし。)
終い船が沈る(しもる)という言葉は、今では一般的ではないから、船頭の言葉として使い、あとは「沈んだ」とか「ひっくり返る」という表現の方がいい。
船頭の金太郎がおかみさんを「この野郎」という言い方をしているが、一度はいいけれども、後は「こいつ」とか「かかあ」とかに・・。
・・・テクニカルな話はもっとありました。
次に、師匠のコメントにある、船頭の金太郎が次郎兵衛さんを家の近くまで送って来たのに、家に寄って行かないというのは不自然だというご指摘。
そうなんです。佃島から船で送ってもらい、例えば柳橋近くに着いたとして、神田お玉ヶ池までは、そこそこ距離があります。
金太郎は直ぐに引き返して、船場の手伝いもしなくてはいけないのですから、船着場で次郎兵衛さんを降ろして、すぐに佃島へ引き返した方が自然なんです。
それから、オチの部分。
次郎兵衛さんにオチの台詞を言わせているが、長屋の人たちに言わせた方が自然だというご指摘。
なるほど。
・・・と、かなり内容も変更して、あと5日で仕上げなくては・・。
師匠からご指導いただいている落語の覚え方。
師匠にはおほめのコメントを頂戴しましたが、このやり方は、もしかすると素人には極めてリスクが高いかもしれません。
まず、力づくで言葉を覚える必要がないので、覚える体力がかからなくなり、楽をしてしまうかもしれない。
暗記ではないので、演る度に言葉の使い回しも一定でなくなり、流暢さがなくなるかもしれない。
ということは、あまり上手く聴こえないかもしれない・・。
そんな恐怖感を抱きながらの「佃祭」です。
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