厳評・・?
「お江戸OB落語会」には、叔父夫婦と娘(従妹)がファミリーで来てくれました。
先日の「扇子っ子連・千早亭」の発表会にも来てもらっている"ご贔屓"です。
叔父は寝蔵師匠の「替り目」で大笑いし、叔母も帰りしなに「皆さん素晴らしかったわよ」と声をかけてくれました。
ところが、従妹からは大変辛口なコメントを受けてしまいました。
まず、前半のストーリーの繋がりに不自然な場面があったこと。
次に、与太郎が与太郎になっていなかったこと。
「与太郎が一番(悔やみが)上手いじゃないか」の台詞で、演者の"地"が出てしまっていたこと。
今回の「佃祭」で表現したかったはずの、「情けは人のためならず」と「与太郎の存在(愚かな与太郎を受け入れる長屋の人たちと与太郎の関係)」のうち、前者は何とか表現出来ていたが、後者は非常に物足りなかったという指摘です。
それから、とても素敵な着物を着ていた蕪生師匠や志ん志師匠に比べて、大変みすぼらしかった着物について。
さらに、高座で(^^;汗をかきすぎて気になったこと。上手く汗を拭くことも出来ただろうに・・・。
そして止めは、(まだ先日の「花色木綿」の感想を言っていなかったと)、間抜けであるはずの泥棒が全く面白くなかったと・・・・。
ちょい悪だけれども、聴き手がこの間抜けな泥棒を応援するように持って行くべき噺なのに、乱志の泥棒はちっとも可愛くないから、応援する気にならない。
私のは"理"が勝った泥棒で可愛くないし、羊羹を食べるシーンも、仕草としては出来ているが、ここは聴き手が「羊羹なんか食べている場合じゃないでしょ!」とハラハラするように演出するべきシーンのはずなのに・・。
が〜ん
完膚なきまでに叩きのめされました。
要は、登場人物になりきれていない、登場人物の了見になっていないということです。
師匠から指摘されていることが、高座で露呈してしまったという訳。
褒めてもらおうとは思いませんでしたが、ストレートで極辛のコメントは、正直なところ、かなり堪えました。
しかし、落語というのは、理屈ではなく、感性が全てだと思いますから、悔しいけれども、受け入れざるをえないと思います。
・・・・・でも、暫く立ち直ることが出来ないかもしれません。
いずれにしても、真剣に聴いてくれて、鋭く観察をしてくれる。
独り善がりにならないためにも、貴重な存在で、有難いと思います。