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2011年4月29日 (金)

総選挙

学生時代に、テレビ局でのアルバイトを通じて出会った社会的な出来事シリーズです。
1976(昭和51)年12月9日に行われた「第34回総選挙」です。
戦後唯一、衆議院議員の任期4年満了に伴う総選挙で、「ロッキード選挙」という呼び方が広く使われました。
時の総理大臣は、三木武雄。
宮城1区には、与野党の大物がいましたが、元日本社会党の委員長で「佐々木更三」という、長老議員がいました。
東北訛り(ズーズー弁)で話すキャラクターは、選挙権のない当時の私もよく知っていました。
投票が終了すると開票作業に移るのですが、テレビ局では、主な候補者の選挙事務所にカメラを設置して、当選した時の万歳やインタビューに備えます。
当時は、カメラの台数も限られていますから、大物か注目されている候補者の事務所に限られるわけです。
私は、この佐々木事務所に詰めることになりました。
投票時間終了前から、支援者などが集まり始めていますが、全体的には楽勝ムードです。
当選すれば12回目。社会党の委員長は辞したとはいえ、まだまだ存在感の大きな「先生」です。
開票が始まり、開票が進んでも、なかなか当選確実が出ません。
今のような出口調査などはありませんから・・・。
・・・予想に反して、落選が確定的になったのは、夜もかなり遅くなってからでした。
万歳三唱を撮る予定が、敗北のコメント映像を送ることになりました。
落選が確定した後の会見コメントはよく覚えていませんが、淡々と話す姿は、19歳の少年には、とても潔く見えた気がします。
時代というのは、こうして流れて行くのか・・・、実感した瞬間でした。
【佐々木更三】明治34(1901)年7月10日生まれ。
労働農民運動に加わり、昭和13年の人民戦線事件などで3回入獄戦後、社会党入党。22年より衆議院議員(当選11回)。
党内
左派リーダーとして活躍
総務局長・副委員長をへて、40年委員長となる。
昭和60年12月24日
死去。84歳。

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