こんな噺家は、もう出ませんな
先日の「朝日名人会」の会場で販売されていた本。この落語会をプロデュースしている京須偕充さんの「こんな噺家は、もう出ませんな~落語「百年の名人」論」。(講談社・1,600円)
落語を熟知し、多くの噺家さんとの接点も多い方ですし、特定の噺家さんにあまり偏りのないと思われ、落語の歴史にも触れられた、読み応えのありそうな内容です。
「名人」の条件とは?
圓朝が死んだ年に圓生が生まれ、その一〇一年後に志ん朝が死んだ。圓喬、文楽、志ん生らが生きた「名人の世紀」を、数々の名演の録音を手掛けた著者とともにたどる。
平成十年代なかば――二十一世紀に入って四、五年の頃から落語ブームといわれる現象が起きた。古今亭志ん朝の早過ぎた死への嘆きの中に発生した現象というのは皮肉の極みだが、そのブームの中でしきりに「昭和の名人」の看板が目につく。さまざまな出版刊行物にとって重宝な看板には違いないが、そこに書かれた名前が三か五ならともかく、十、二十を超えるとなると、それは志ん朝が言った「名人」とは別物だと思わざるを得ない。正真正銘の名人と看板だけの名人は違うということなのか。名人とは観光ブームの中の名所旧跡のようなものなのか。名人が簡単に量産されて「名人ブーム」になっては見分けがつかない。「名人」とは誰のことなのだ――。
――<本書より>
私は、どうも落語会の会場などで、書籍やCDを買うのは・・?なので、今回も会場では買わず、帰りに上野駅の本屋で買いました。
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