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2011年2月27日 (日)

「昭和の名人完結編」(2)

Photo 昭和の名人完結編」の第2巻は、古今亭志ん朝。
名実ともに落語界のプリンスでした。

◇居残り佐平次  古今亭志ん朝
◇猫の皿      古今亭志ん朝

表紙の写真を見て、30歳台の頃だと思いますが、何て言ったらいいのか・・・、とにかく「格好いいなぁ」と思いますね。
「これが噺家だ」と、志ん朝師匠をそのまま頭の中に刷り込んでいる落語ファンも多いと思います。
「昭和の我々は圓朝を聴けなかった。しかし、明治の人は志ん朝を知らない。」みたいなことをいう方もいらっしゃるようです。
弟子の志ん橋師匠が、師匠を語っています。
内容そのものは、今までも紹介されていたものも多いですが、名人志ん生の息子、絶大な人気などで、天狗になることもなく、むしろ心配りの物凄い、人格者の師匠だったそうです。
考えてみると、超人気者でチケットも入手できなかったこともありますが、志ん朝師匠を生で聴いたことが何度あったでしょう・・・。
ちょうど落語から離れている間に、名人の名前を欲しいままにし、そして亡くなってしまいました・・・。
素人落語の会に行くと、「うわぁぁ、志ん朝師匠のコピーだぁ!」という人が多いのです。
志ん朝ファンの多さと、テンポの良さで、自分のネタの音源にする人が多いということです。
ところが、志ん朝師匠独得の、台詞の間を取るのに入れる「えっ?」というのもそのままに演るので、聴きづらいことおびただしい・・・。
名人と言われる人の音を参考にする場合は、良い意味で、その特徴を消さないといけません。
今回の私の「甲府ぃ」は、若かりし頃の志ん朝師匠の音源で学生時代にチャレンジしたものを、文字を追わずに、頭の中で思い出しながら噺を組み立てました。
その過程では、かなり"志ん朝色"を消したつもりでいたのですが、最初に稽古で聴いていただいた時、圓窓師匠から「志ん朝さんだね」と言われました。
落語を演るという観点では、志ん朝師匠は、やりやすそうでいて実は大変難しいと思います。
ちなみに、落語っ子連の発表会の時、志ん朝師匠の出囃子「老松」で、高座に上がりたいと思っています。

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