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2011年2月17日 (木)

かんかんのう

あまり好きな噺じゃないと言いながら、「らくだ」で気になるのが「かんかんのう」というやつです。
「かんかんのう」って何?
Kankan_
文政4年(1821)3月15日から深川の永代寺(今の富岡門前町)で、成田の不動の出開帳があった時に、唐人踊という見せ物が出た。
これが大評判で五月二十九日まで引き続いて興行しました。
永代寺で興行する前に、葺屋町河岸でもやったけれども、その時はまだ人気もなかった。
それが一時に流行出して、四月には江戸の市中を、「唐人おどりかんかん節」などと読売が出てくる。
これは唐人ふうの扮装をした踊り手が、清楽の「九連環」の替え歌と、鉄鼓、太鼓、胡弓や蛇皮線などの伴奏にあわせて踊る、という興行的な出し物だった。
庶民も盛んにまねをし、その流行のあまりの加熱ぶりに禁令(文政5年2月)が出たほどだった。
その後も庶民のあいだでは、「看々踊」や、その歌である「かんかんのう」が歌い継がれた。

その歌詞は、バージョンによって微妙に異なるが、以下のようなものである。Img001
   かんかんのう きうれんす
   きゅうはきゅうれんす
   さんしょならえ さあいほう
   にいかんさんいんぴんたい
   やめあんろ
   めんこんふほうてKankan_2
   しいかんさん
   もえもんとわえ
   ぴいほう ぴいほう
「かんかんのう」は「カンカンヌウ(看看奴)」すなわち「奴(女性の一人称。わたし)をちょっと見て」、「きうれんす」は「キウレンス(九連子)」すなわち「キウレンクワン(九連環)」(チャイニーズリング)、「きゅうはきゅうれんす」は「キュウヤキュウレンクワン(九呀九連環)」、「さんしょならえ」は「シャンシュナアライ(双手拿来)」すなわち「両手で持って来る」、を日本語風に崩したものである。
江戸から明治にかけて、「かんかんのう」を唱っていた庶民の大半は、この元歌が中国伝来の歌であることは認識していたが、歌詞の意味は把握しておらず、一種のナンセンス・ソングとして、意味不明ながら語呂の響きを楽しんだのである。

「かんかんのう」と「九連環」が聴けました。下をクリックしてください。
http://www.youtube.com/watch?v=I9Rm7zYbKCM&feature=related

「らくだ」という噺は、ラクダという外国から来た動物の名前だけでなく、「かんかんのう」という、中国伝来の歌も入っているという、実は大変に国際色?豊かな、エキゾチックな噺だったんですね。
しかも、「かんかんのう」というのが「ちょっと私を見てよ」という意味なら、噺の中で、大家さんの所で踊る曲としてもぴったりの歌詞ではありませんか。

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