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2011年1月26日 (水)

嘲笑・・・?

某国のテレビのお笑いクイズ番組で、広島と長崎で被爆した「二重被爆者」を「世界一運が悪い男」などと笑いの種にしたそうです。
この番組は昨年12月に放映され、出張先の広島で被爆し、長崎に戻るとまた原爆が投下されたと司会者が述べると、スタジオの芸能人や観客が爆笑したそうです。
番組を見た在住邦人が日本大使館に連絡し、大使館が抗議したと。
番組プロデューサーから、故人を笑いものにする意図はなかったなどと釈明、おわびする手紙が届いたということです。
侮辱の意図を持っていたとしたら言語道断ですが、多くが無知と大衆心理の問題でもあると思います。
落語も昔の世界を題材にしていて、身分制度や男尊女卑、貧富の格差などによる差別があった時代が舞台になっていますから、それを前提にしていたり、言葉づかいにも名残りがない訳ではありません。
しかし、落語国には、差別という言葉にある陰湿さはありません。
なぜならば、落語国の住人が、今・現実を受容して、前向きに生きているからだと思います。
「妾馬」なんて最たるもので、身分制度の中で、形式的には身分の上下を前提にしていますが、八五郎にしても、田中三太夫にしても、赤井御門守にしても、それぞれを否定することなく、否、お互いを尊重しながら。
それでいて確固たる自分の世界を生きています。
八五郎は、赤い御門守に対して、羨ましい部分はあっても、自分の境遇を決して否定していない。
むしろ、「殿様なんてぇのは不自由だ」ぐらいにしか感じていない。 
「三方一両損」でも、大岡越前は、吉五郎と金太郎に好ましさを感じているし、この職人二人も、偉いお奉行に対しても、自分の主張はしっかりしている。それを、奉行も職人も受け入れている・・。
「孝行糖」の与太郎さん。周囲の人たちが、彼のことをしっかり見ていてくれる。
「与太郎はバカだ」なんて言いながらも、みんなが彼を愛している。
受容と楽観が息づいているのが落語国です。
やはり落語を聴かなきゃ駄目ですね。

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