あたま山
ケチの吝兵衛さんという人が、サクランボを種ごと食べてしまったため、種が頭から芽を出して、そのうちに大きな桜の木になってしまいます。
近所の人たちは大喜びで、この吝兵衛さんの頭に上り、「頭山」と名づけて花見で大騒ぎ。
吝兵衛さんは頭の上があまりにうるさいので、苛立ちのあまり桜の木を引き抜いてしまいます。するとその抜いた後に大きな穴が開きました。
ところが、この穴に雨水がたまって大きな池になり、近所の人たちが、今度は船で魚釣りを始めだす始末。
釣り針をまぶたや鼻の穴に引っ掛けられた吝兵衛さんは怒り心頭に発し、とうとう自分で自分の頭の穴に身を投げて死んでしまいました。・・・とさ。
シュールな落語のひとつと言われる「あたま山」です。
♪翔んでイスタンブール 人の気持ちはシュール・・♪
・・のシュールと同じでしょうか?
①「シュールレアリスム」の略。
②表現や発想が非日常的・超現実的であるさま。
・・だそうで、超現実的な落語ということでしょうか。
この噺、八代目林家正蔵(彦六)師匠もよくお演りになっていたようで、私が落研に入部して初めてやった落語が、この「あたま山」なのです。
音源はなく、ただこの正蔵師匠の速記があるだけ・・・。
「昔あるところに、けちん坊の吝兵衛さんてぇ方がおりまして・・・・」。
上手く、出来るはずがない。
同期たちは、「孝行糖、こうこうとぉ~」「転失気はござらんでな」「大人なんてのは罪がないなあ」「海老床の海老は患ってるな」なんて大受けしているのに、「自分の頭へ身を投げたぁ~」ですから・・・。
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