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2010年11月 6日 (土)

千両みかん

あの有名な・・
「マッカーサー道路」なんていうのを話題にしたので、「千両みかん」のタイトルを入れようとしたら「占領みかん」になってしまいました。

以前から気になっていた神田須田町の「万惣」という果物屋さん。
2階がフルーツパーラーになっています。
ちょっと覗いてみると、なかなか落ち着いた雰囲気で、食事も出来ました。
シーフードハンバーグを食べてみましたが、なかなか・・・。
フルーツメニューのほか、ホットケーキや洋食(シチューやロールキャベツ)も売りのようです。
会計をする時、若い女店員さん(古い言い方)に、「このお店は、江戸時代からこの場所で商売をやっているんですよね。」と聞いたら、即座に「はい、そうです。」という答えが返って来ました。
重ねて、「千両みかんに出て来るお店ですよね。」と聞こうと思いましたが、やめました。
明治以降も、このあたりは、都電のターミナルで賑やかだったようです。江戸時代からずっと現代まで、同じ場所で果物を商っているというのが、全くの赤の他人ながら何となく嬉しいものです。

≪万惣(まんそう≫ 千代田区神田須田町交差点角
みかん1個を千両で売った問屋を小三治は「万惣」、彦六の正蔵は「万屋惣右衛門」、馬生は「千惣」としている。
創業150余年、老舗の高級果物店。
須田町交差点角に8階建てのビルが建っている。
ビルの1階では進物用の果物等を売っていて、2階が洋食なども楽しめるフルーツパーラーになっている。
≪千両みかん≫

ある大店の若旦那が、何か思い悩んで床に伏せったままになり、一向によくならないので、江戸で一番の名医に診てもらうと、「本人の望みを叶えてやれば、病は治る」と。
早速いろんな人に頼んで、何を望んでいるか聞きに行くが、若旦那は誰が聞いてもなかなか言い出しません。
何とか番頭になら話すと言うので、聞きに行かせると「ミカンが食べたい」。
それを聞いた番頭は、普段のおっちょこちょいが出て、夏でミカンのない時期にもかかわらず承知してしまいます。
若旦那は、ミカンが食べられるという喜びで、血色がよくなります。
番頭は、大旦那に「若旦那は、ミカンが食べたいそうです。ミカンなどすぐに買ってきますから元気を出すようにと言いました」と。
大旦那は、「この暑い夏真っ盛りの時期に、ミカンがあるかい?」
番頭は自分のそそっかしさに気が付きますが、大旦那は「もしかすると、探せばあるかも知れない、もしなかったら、たぶん倅は死ぬだろう。そしたら番頭さん。お前さんは主殺しだよ」と脅かして、とにかく探して買ってくるように言いつけます。
番頭は、あちらこちらで聞き回りますが、当然どこにもミカンは売っていません。
へとへとに疲れ果てた番頭が、道に倒れたとき、近くを通行した人に助けられ、みかんを買ってこなければ主殺しにされてしまうことを泣き泣き話すと、助けてくれた人が、神田の問屋を訪ねてみろと教えてくれます。
何軒も問屋を歩き回った最後の店(万惣)で、「あるかもしれません」と言われ、一緒に蔵には行って、山と摘まれたミカンの箱を次々と開けてみましたが、どれも腐っていてダメ。
ところが、一番最後の箱から、とうとう無傷のミカンが出て来ます。
番頭は、大喜びで、購入代金は、いくらかと聞きますと、問屋の主は「千両です」。
番頭はたった一つのみかんが「千両」と聞かされて、大旦那に相談してくるからそれまでどこへも売らずに待っていてくれと頼んで店に戻り、大旦那にこれを話しますと、大旦那は「千両で倅の病が治れば安い」と番頭に買いに行かせます。
若旦那は、番頭が買って来てくれたミカンを見て感激して10房のうち7房を食べた後、残りの3房は、両親と苦労して探してくれた番頭にあげたいと言い出します。
残りの3房を手にした番頭、「この3房が300両、あと2年で、自分がもらえるのれん分けの金はせいぜい20両。長い浮き世に短い命。太く短く生きてやろう」と、その3房のみかんを手にして夜逃げをしてしまいます。

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それにしてもあの番頭さん、むいたみかん3房だけ持って、どこへ行ったんでしょうか・・・?
そして、あのみかんは、300両で売れたのかなぁ・・・・。
これは、万惣さんも知らない、永遠の謎ですね。

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