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2010年10月

2010年10月31日 (日)

神無月の落語徘徊

神無月の落語徘徊
秋を感じることなく、一気に冬になってしまった感じの10月でした。

先月で高座ラッシュが一段落したので、今月は聴く機会がいくらか増えました。

 ◇  8日      秋の四人はなし
 ◇ 15日      東京落語会
 ◇ 16日      特撰落語会
 ◇ 23日      鈴本演芸場10月下席
 ◇ 23日      正蔵 正蔵を語る
 ◇ 24日      隅田川づくし
 ◇ 28日      人形町らくだ亭
 ◇ 29日      鈴本演芸場10月下席
 ◇ 30日      えどはく寄席

年初からプロの噺家さんの高座を聴いたのは、大小合わせ66回。
稽古会や発表会などの素人落語の回11回を入れると77回。
今年は、目標の100回は難しそうです。

圓窓師匠ご指導の素人落語同好グループ「扇子っ子連・千早亭」が、本格的にスタートしました。
毎月1回の稽古で、半年後に発表会をということで、約10名のメンバーが頑張っています。

このプログのアクセス数が累計8万件に達しました。
落語が好きだから、何とかネタを探しながら続けて行きます。

そろそろ、次の噺の稽古を始めないといけません。
11月は、落語を聴きに行きながら、そろそろ並行してネタ帳作りをしないといけません。

台風一過・・

台風一過・・
台風一過の晴れ間とはなりませんでしたが、雨の止み間に散歩でもという訳で、お馴染みの上野から御徒町・末広町から秋葉原、万世橋を渡って神田須田町・淡路町・小川町、神保町では「古本祭」の真っ最中で、すずらん通りは大混雑。
そういえば、今は「読書週間」の真っ最中でした。

台風一過・・
ちょっとつかれてひと休みと思って立ち寄ったのが学士会館。
台風一過・・
1階の談話室でちょっと休ませてもらって・・。

歩いたのは、大した距離ではありませんが、爽やかな気分です。
陽射しもなく、あまり汗だくにもなりませんし。
今夜はまた雨の予報です。

江戸東京博物館

江戸東京博物館
江戸東京博物館に入ると、外は台風が来ていて大変ですから、外に出ず、ゆっくり常設展示を観て回りました。
先日の深川江戸資料館もそうですが、落語の環境を3次元で実感することが出来るのが、とても楽しいことです。

それはそれ、江戸ゾーンから東京ゾーンへ来て、展示の最後にある「スバル360」を見るのも、実は楽しみです。
あたかも今の中国のように、かつて日本が高度成長していた頃の象徴のひとつだと思います。
私は幼かったとはいえ、リアルタイムで生きて来た世代ですから。

ある落語会

「東京かわら版」を見ていて、豪華な落語会を見つけました。

12月12日(日)に大宮ソニックホールで開催される三遊亭圓楽師匠の襲名記念公演です。
驚くのはチケットの値段と種類です。

 《特等》 10,000円 色紙・手拭・湯呑・饅頭付き 
 《一等》  9,000円 手拭・湯呑・饅頭付き
 《二等》  7,000円 
 《三等》  5,000円
 《四等》  3,000円

ホールでの落語会といえば、せいぜいS席・A席・B席ぐらいですし、木戸銭も高くて5,000円ぐらい。
真打披露や襲名披露などで、扇子・手拭あたりがついても8,000円ぐらいですが。

楽太郎改め圓楽師匠と、ゲスト出演の師匠方は全てあの「笑点」メンバーだということで、やはり笑点の人気の凄まじさでしょうか・・・。
勿論、手拭や色紙などは、噺家さんによっては私も欲しいと思いますが、湯呑は「笑点湯呑」かもしれませんし、お饅頭・・・?
出演者と場所を考えて、私も嫌いな噺家さんばかりじゃありませんから、聴きに行く気になるかもしれませんが、私ならば、せいぜい頑張って5,000円が限度ですね。
大枚5,000円の出費で「三等席」ですか・・・。なんだかねぇぇぇ。

2010年10月30日 (土)

えどはく寄席


2週続けて、江戸東京博物館に行きました。
先週、特別企画展「隅田川」と、この展示会にちなんだ古今亭志ん輔師匠の独演会に来た時に、「久しぶりに常設展も観たいなあ」と思い、季節はずれの台風の中、勇躍出掛けたという訳です。

ラッキーなことに、会場に入り、あの日本橋を渡っている時、間もなく階下の中村座の芝居小屋で、「えどはく寄席」が始まることが判明。
早速、中村座の前の座席に座りました。
さらにラッキーなことに、今日の出演は「桂平治」さんだということで。


◆  時そば    桂平治

あんなにだだっ広い場所で、周囲の喧騒、通りすがりか冷やかしの客が多い中、しっかり客を掴み、"平治節"が炸裂していました。
凄いなぁと思うのは、前後して蕎麦を食べる2人の食べ方がをはっきり区別していること、細くて美味い蕎麦と太くて不味い蕎麦の、特に太さの違いが分かる。
この2人とそれぞれの蕎麦屋との上下の位置関係も変えている・・。
この後の昼食で、天ぷら蕎麦を食べてしまいました。
思いがけず出会えた落語に、そりゃあもう大満足でした。

ご贔屓

(ご)贔屓:気に入った人を特に引き立てること。後援すること。また、引き立てる人。

馬津郷(まつど)寄席を主催している席亭のKさんに、来月の落語会の予約メールを送った際に、「(春風亭)一之輔さんのNHK放送演芸大賞受賞おめでとうございます」と一言付け加えたところ、予約受理の連絡と一緒に、大変嬉しそうなコメントが返信されて来ました。

本選当日は、会場に行って応援していたそうです。
公開録音だと思うのですが、かなり高い競争率の抽選だったと思うのですが・・・。

こういう「ご贔屓」がいてこそ、芸人さんも思い切って、芸を大きくすることが出来るという訳ですね。

北大落研「東京苦楽亭迷人会」

東京かわら版から、恒例の北大落研OB会の「東京苦楽亭迷人会」を見つけました。
11月28日(日)午後1時・お江戸両国亭で。

北大の落研は、2年ほど前に創部40周年を迎えたはずで、東京でのOB落語会も、15年ほど前から毎年続いているそうです。
一方、我が落研は、今年初めて東京に出て来た(お江戸OB落語会)ばかりですから、東京では、北大落研の皆さんの方が大先輩ということになります。
今年も是非行きたいと思います。
我々の会のお手本や参考にさせていただきたいと思います。

2010年10月29日 (金)

鈴本下席(裏を返す)

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鈴本下席には今夜が2度目。
裏を返しました。
今席は、萬窓さんがネタ出しでトリを取る8夜目で、「文七元結」です。

祖師と言えば日蓮、大師と言えば弘法、落語と言えば文七元結・・。
ザ・落語に萬窓さんが挑むと言う訳ですから、今夜は外せません。
仕事を終えて、鈴本に入ったのは6時半過ぎでした。

◆ 替わり目     隅田川馬石
◆ (誘拐犯)     春風亭百栄
◆ 武助馬      三遊亭圓窓
◆ のめる      橘家文左衛門
◆ 文七元結     三遊亭萬窓

程よい入りの、のんびりした休日前の寄席を堪能しました。

小朝の落語塾

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「小朝の落語塾」も落語入門本ですね。
春風亭小朝著・世界文化社刊・1995円(税込)

紹介文は・・、「人気実力ともに当代超一流の落語家、春風亭小朝による落語初心者のための入門書。落語の面白さや、舞台裏、どこへ行って、何を聴けばいいのか、どの寄席でみたらいいのか、など、落語を聞いてみたいが、よくわからないという初心者に丁寧に教えてくれます。小朝の案内と師匠春風亭柳朝の古典落語1席を収録したCD付き。落語の第一人者ならではのウンチクや落語界の舞台裏の話まで、興味がつきない内容です。 」だって。

これもいいや。

夜の谷根千徘徊

夜の谷根千徘徊
先日の夜、何を思ったか、日暮里から谷中の墓地を抜けて、三崎坂を下り、全生庵を右手に見て団子坂下から千駄木まで、トボトボ歩いてみました。
天王寺の五重の搭跡はライトアップされていました。
三崎坂を下り、谷中小学校を過ぎた、朝日湯の近くにある喫茶店で、ゆったりコーヒーなど飲んだりして。
かなり寒くはなりましたが、歩くにはちょうど良い風でした。
全生庵は門が閉じられていましたが、門の柵越しに、本堂裏の圓朝墓に向かって手を合わせました。

落語百選≪54≫

Issue_54_1 今号は、DVDが扇辰さんの「甲府ぃ」なので、楽しみにしていました。
これから自分がやろうと思っている噺ですから。

豆腐屋の店先で、卯の花を盗み食いしていた男。店の主人が事情を聞くと、甲州から来た善吉という男で、巾着切りに遭って一文無しになったのだという。同宗のよしみで、主人は善吉を店で働かせることを決め……。

先日、圓窓師匠から頂戴した「甲府ぃ」の高座本とを比べながら、ネタ帳を作って行こうと思います。

  ◇ 甲府ぃ     入船亭扇辰
  ◇ 鰻の幇間    橘家圓太郎

アンコールになってからの方が、噺家さんが充実しています。

通勤定期券

通勤定期券
10月31日で通勤定期が切れることに気がつきました。
今は、定期券の継続など大変便利になり、きっぶ売場の専用販売機で、簡単に継続することが出来ます。
6か月の継続を、機械に誘導されながら入力し、決済のためにクレジットカードを入れると、「このカードではご利用いだけません」 とのコメント付きで中断されてしまいました。
仕方がないので、朝は諦めて、夕方別の駅で再度トライしたところ、すんなりと手続き完了。
じゃあ朝のコメントは何だったの?
磁気カードなどは、空気が乾燥する時など、ストライプの情報が読めないことが時々あります。
今回も、夕方は息をはぁ〜ッと吹きかけてからやりましたから、きっと上手く行ったのでしょう。
やれやれ、心配してしまいました。
それにしても便利になったものです。
そう言えば、立川志の輔さんの自作に「みどりの窓口」という、大変面白い噺がありました。

2010年10月28日 (木)

人形町らくだ亭

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「お客さまが誰も来ないんじゃないか」と、志ん輔師匠も心配したほどの冷たい雨降りの夜になりました。
「人形町らくだ亭」。
場所は日本橋劇場で、最寄り駅は水天宮前。
いつも人形町にある日本橋教育会館と、どちらだったか迷います。
おかげで、先月は道に迷ってしまったという・・。

  ◆ 佐々木政談          古今亭志ん輔
  ◆ お若伊之助           柳家さん喬
  ◆ 小言幸兵衛           柳家小満ん

この落語会は、今日の3人の師匠に加えて、雲助・一朝師匠の5人の師匠がレギュラーで、毎回2〜3人が交代で出演していますから、聴きごたえのある落語会だと思います。
何と言っても、拙い前座さんの後で、「佐々木政談」ですから。
席に座ってちょっと息抜きひと眠り・・なんてさせてもらえません。
一緒に行ったIさんも満足そうでした。
来月も再来月も通うことになりそうです。

日本シリーズ

プロ野球の日本シリーズと言えば、大衆の関心が高い、秋の大イベントでした。
約6ヶ月にわたり、130〜140試合を重ねて勝ち上がった2チームの、リーグの威信を賭けた闘いに、大衆は熱狂しました。
ところが、時は流れて、今年の日本シリーズは、1・2・5戦の地上波での中継がないそうです。
価値観の多様化で視聴率が取れないのでしょう・・。
試合時間の読めない競技なので、中継や移ろ気な視聴者に合わない部分もあるのでしょう。

時あたかも、今日はドラフト会議です。
スターを目指して、夢を抱いて指名を待つ若者たちもいるんです。

今年の日本シリーズは、35年ぶりに、ロッテ対中日です。
私は、35年前にロッテが日本一になった時のことのを、薄々覚えています。
巨人がリーグ優勝V10を達成出来ず、あの長嶋さんが引退した年でした。
それに、ロッテが仙台を準フランチャイズにしていましたから。
(尤も、私が仙台に行くのは、この翌年なのですが。)

東北大学祭

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秋の真っ盛りは、全国各地の大学の学園祭の季節でもあります。

我が母校も、いつも今頃やっていたよな、と思い検索してみると、ありました、ありました。
「東北大学祭」という、何の色気も、味も素っ気もない名前は、もうずっと昔からのものです。
今年は10月29月(金)~31日(日)の3日間開催されるようです。
http://www.festa-tohoku.org/index2.html
http://www.festa-tohoku.org/pic/pdf/c4.pdf

現役時代は、我が落研は、毎日朝から夕方まで「川内寄席」をやっていましたが・・・、あぁぁ、やってるやってる、今年は講義棟C-405で「川内寄席」だそうです。
我々の頃は、階段教室のB棟で、それはそれは華々しく?やっていましたが。

1年生の時は、まだ持ちネタが、「あたま山」と「千早振る」しかなくて、一日に何度も同じ噺でご機嫌を伺っていましたっけ・・・。
でも、こういう時は、冷やかしや通りすがりの人が多く、長時間聴いてくれる人は少ないので、同じネタをやっても、「おいっ、その噺はさっきも聴いたぞぅ!」などとは言われずにすみました。
同期の仲間も同様に持ちネタは2つで、おかげさまで、同期のやっている噺も、門前の小僧よろしく覚えちゃいました。
「孝行糖、孝行糖ぉぉ~」「三つ組の転失気ってぇと、プープープー」「お父っつぁん・・・大人なんて罪がないなぁ」「あの海老は患ってんなぁ」なんて・・・・。

当時も、プロ野球日本シリーズと重なり、高座へ上がると、マクラで「日本シリーズの途中経過を申し上げます」なんて振ったりして、楽しい時間でした。
3~4年生も、適当に顔を出してくれて、「じゃ、ちょいと一席」なんてんで、気楽に高座に上がってくれました。
時々、ファンからの差し入れもあったりして・・・。

真面目な話、大変良い稽古の機会でもありました。
遠い、遠い、青春の頃の思い出・・・・。

道具屋

道具屋
プロの噺家さんの、というより素人落語でも、その入門用ともいえるひとつが「道具屋」という噺だと思います。
柳家が「道灌」が定番だということは有名ですが、確か「道具屋」もどこか一門の入門噺だった気がします。
ちょっと愚かな落語国のヒーロー与太郎と、その与太郎が可愛くて仕方のない大家の叔父さんという設定から繰り出される笑い。
叔父さんの同業の人たちの温かい対応に、伸び伸びと愚かを展開する与太郎。
温か国「落語国」の、何気ない日々の営みの景色です。
写真は、深川の富岡八幡の境内で開かれていた骨董市の様子。
種々雑多な品物を、胡散臭そうな顔をしながらも覗き歩く人々・・・。
これ、落語「道具屋」の世界そのものでした。

ションベンの出来ないヒョロビリの股引きや抜けない木刀、首の抜けるお雛さまを探しました・・・。

2010年10月27日 (水)

紀伊國屋寄席

紀伊國屋寄席
11月の紀伊國屋寄席のチケットを買いました。
本当は、昨日も行きたかったのですが、どうしても仕事の都合がつかず、涙を飲みましたから、来月こそはと・・。
雲助師匠、馬桜師匠、扇遊師匠をお目当てに。
そうそう、遊一さんには、12月に落研主催の「落語鑑賞会」にご出演いただく予定で、仙台に1泊して、現役部員の指導もしていただくことになっています。

ところで、12月は今年も30日です。
いつも年忘れは紀伊國屋ですが、今年もそうなりそうです。
今年の〆もさん喬師匠になるかな・・?

落語を聞くおう!

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「落語を聞くおう! 初心者のための落語入門」という、落語入門本。
林家木久扇師匠著作の定価1,260円。
「こんな本も出たんだねぇぇ」というところでしょうか。
もういいや。

三遊亭鳳楽独演会の案内

三遊亭鳳楽師匠の日暮里での独演会の案内。
11月は随分早くて4日(木)の開催。
「文七元結」がネタ出しされています。
鳳楽師匠の「文七元結」は、何年か前の12月に、落研先輩の四分椿・蕪生両師匠と、上野広小路亭の独演会で聴いた記憶があります。 行ってみようか・・・。

2010年10月26日 (火)

酉の市

酉の市
今夜は木枯しが吹くそうです。
つい先日まで、猛暑・酷暑だと言っていたのに。
でも、もう10月も最終週、四季のある日本では、寒くならなければいけない頃です。
上野駅正面改札口の前には、浅草の酉の市を宣伝する飾りの大熊手が出現、もうすっかり冬支度です。
こうして時は流れ、今年も暮れて行くんですね。
そう言えば、昨夜の真打競演の市馬さんは「掛け取り」でしたねぇ。

馬津郷寄席の案内

馬津郷(まつど)寄席のK席亭からご丁寧な案内。
春風亭一之輔さんが、先日NHKの放送演芸大賞を受章した直後ですから、お祝いムード一杯の会になるでしょう。
当日は、帰省の予定ですが、夕方は戻りますので、予約のメールを入れました。
11月14日(日)午後6時より、いつもの松戸市民会館ながいき室で。

匙加減(さじかげん)

三遊亭萬窓さんが、鈴本下席のトリでネタ出ししているこの噺は、圓窓師匠が講釈から落語に翻案したもので、師匠の「五百噺ダイジェスト」で、以下のようにコメントされています。

あたしが若い頃、上野に本牧亭という釈場があった。
釈場とは、常設で講釈をやっている寄席のこと。
あたしが鈴本に出番のあるときには、しょっちゅう、その釈場の客席に回って講釈を聞かせてもらった。
その折、故小金井芦州師のこの講釈を聞いたのだ。
翌日、一升瓶をぶる下げて楽屋へ顔を出して「教えてください」と頼み込んだ。
登場人物も刈り込み、落ちも付けて、落語の寄席や地域の落語会で演り始めた。
そのうちに何人かの後輩の噺家が「教えてください」と来た。
今度は、あたしが教える立場になってしまった。
いずれ、彼らもその立場になってくれるであろう。嬉しいことである。

→「五百噺ダイジェスト」 
   http://ensou-dakudaku.net/furrok/sa.html#137

圓層師匠のお弟子さんの萬窓さんは、この噺を得意としているようです。27日の鈴本のトリでネタ出しをしています。
やはり、師匠直伝で、しっかりと受け継がれているんでしょう。

2010年10月25日 (月)

真打ち競演

先週、プロ野球中継でパスされた「真打競演」。
今夜は、2週間越しに聴くことができました。

昭和のいる・こいる、江戸家猫八さんの2組の芸達者の後に登場は、柳亭市馬さん。

 ◇ 掛け取り     柳亭市馬

十八番中の十八番でのご機嫌お伺いです。
掛け取りの内容は、相撲・喧嘩・三橋(美智也)の組み合わせ。
やりましたねぇぇ。最後は歌謡ショーです。
こういうのは、この番組のような地方の公開録音は受けますよ。
田舎の爺さん婆さんが佃煮にするほど聴いていますから。
これに芝居が入るともう・・・。市馬ワールド沸騰。

私もこの噺も何度も聴きましたが、いつも会場は大爆笑です。

こういう噺が出来るようになると、プロって言われるんでしょうね。

Hさんの力作

Hさんの力作 Hさんの力作
いつも我々落研の落語会にめくりを書いて下さっているHさんの作品です。勝手に写真を撮らせていただきました。
毎日文化ホールでの作品展に展示されていたものです。
寄席に関係のない漢詩と俳句が書かれているのですが、雰囲気がありますね。
漢詩は隷書体のものが多いのでしょうが、寄席文字は温かみを感じます。
仮名で書いた色紙もいいですが、寄席文字の恋歌は、受け止めてもらえるでしょうか?
こんな風に書いてみたい・・。

2010年10月24日 (日)

隅田川・江戸が愛した風景

隅田川・江戸が愛した風景
落語会にセットされていたのか、落語会がセットされていたのかは知りませんが、江戸東京博物館の特別企画展「隅田川・江戸が愛した風景」の入場券がセットされていたので、落語会がはねた後に覗いて見ました。

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江戸の母なる川「隅田川(おおかわ)」を直接・間接に描いた絵の数々は、当時の様子を伝えてくれる貴重な資料です。
寛永寺・浅草寺・待乳山聖天・今戸神社・三囲稲荷神社などの寺社、吾妻橋・両国橋・永代橋・柳橋・日本橋、首尾の松、屋形船、花火・・。
やはり昔の江戸の中心は、ここいらだったんでしょうかねぇ。
暫し、江戸時代にトリップすることが出来ました。

隅田川づくし

隅田川づくし 隅田川づくし
江戸東京博物館の特別展「隅田川」の特別企画「隅田川づくし・隅田川(おおかわ)の流れゆかしき」と題した落語会、古今亭志ん輔師匠の独演会です。

   ◆ やかん             前座さん
   ◆ 鉄道戦国合戦絵巻      古今亭駒次
 ◆ 野ざらし                         古今亭志ん輔
  ◆ 唐茄子屋政談                 古今亭志ん輔

隣に座った老夫婦の鼾一歩手前の寝息に、周りからの視線が集まる中、志ん輔師匠の熱演に入り込みました。
会場も、なかなか見やすく、座りやすく、何度か来ていますが、良い雰囲気です。

落語にも、日々の生活にも、隅田川(大川)というのは切り離せない存在なんですね。

「ん組」稽古会

「ん組」稽古会


門前仲町に早めに着いたので、深川不動と富岡八幡にお参りをしてから稽古場の紅巣亭へ。

師匠に、師匠と若い頃から親交のある落研の先輩の近況を報告。
それから、学士会落語会(東大落語会)の三山亭多楽師匠の「鼓が滝」に関する論述を持参して、手渡しました。
師匠はすぐさま、大変興味深そうにざっとお読みになりました。
「多楽さんに、能楽にも『鼓が滝』はあったようだか、今は誰もやらなくなってしまった(廃曲)みたいですよと伝えてください。」とコメントされました。
早速、多楽師匠にご報告しないといけません。

まど音さんにお願いしていた11月3日の師匠の会「落語とビアノのエンソウ会」のチケットを受け取り。
落語会まであと1週間あまりに迫り、新聞にも取り上げられて、盛況になることでしょう。

稽古は窓口さんの「替わり目」から。
お世辞抜きに、窓口さん上手くなりましたねえ。
もともと、声と雰囲気が落語にむいた人ですから。
師匠も褒めていました。

今日はちょいと用事があるのでと、途中で失礼しましたが、今日も師匠の窓口さんへのアドバイスを聞き、私にも大変参考になりました。
この1ヶ月、落語の稽古から離れていましたが、そろそろ虫が騒ぎだしました。・・準備を始めようかと・・。

ひぐらし寄席

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隅田川馬石さんから、恒例の独演会の案内。
久しぶりに行ってみましょうか・・。
来月の学士会落語会にもご出演予定ですし。

2010年10月23日 (土)

寄席の梯子(鈴本下席)

鈴本下席
久しぶりに寄席・落語会の梯子をしてしまいました。

国立演芸場で正蔵さんを聴いた後、地下鉄に乗って上野広小路へ。
またちょいと贅沢に、松坂屋のデパ地下で美濃吉の弁当を買い、鈴本演芸場演芸場に着くと、ちょうど前座さんが上がったところでした。

      ≪萬窓九選・秋の夜長にたっぷりと≫
   ◆ やかん        林家木りん
   ◆ 道具屋        三遊亭ぬう生
   ◆ 身投げ屋       五街道雲助
   ◆ 権兵衛狸       三遊亭窓輝
   ◆ 肥がめ        柳亭左龍
   ◆ 替わり目       三遊亭圓窓
   ◆ 手紙無筆       橘家文左衛門
   ◆ 佐々木政談     三遊亭萬窓

圓窓師匠のお弟子さんの萬窓さんがネタ出しをしてトリを勤める特別企画。
ネタ出しの「佐々木政談」は、窓門の十八番の噺だと思います。
この噺の中で、主人公の城吉が「佐々木信濃守は馬鹿だ」なんていう台詞があるのですが、萬窓さんはカットしていました。
利発な子どもが頓智・頓才を発揮する場面ですから、気持ちよく進めたいので、このカットは大正解だと思います。
萬窓さんは、決して派手ではありませんが、声のトーンが高くて雰囲気も明るく、いよいよ脂が乗って来たことを実感する高座でした。

週末の疲れ、梯子の疲れ?もあり、ゆったりとボーッとしながら、弁当に舌鼓も打ちながら・・・、本当に贅沢な時間でした。

寄席の梯子で、今日は落語を12席聴きました。

正蔵 正蔵を語る

竹橋の毎日文化センターを出て、国立近代美術館内のレストランで腹ごしらえした後、健康のために、北の丸から三宅坂の国立演芸場までウォーキング。5979_1
天気も良く、爽快な気分です。

国立演芸場の特別企画「正蔵 正蔵を語る」という、林家正蔵さんの独演会。

今回が3回目となるそうですが、企画はこれが最後ということです。
確かに、必ずしも林家正蔵の伝統などを感じない部分はありますから、このテーマでは厳しい気がします。

◆ 紙入れ    林家たけ平
◆ 金明竹    古今亭菊之丞
◆ 穴どろ     林家正蔵
◆ 山崎屋    林家正蔵

正蔵さんも、襲名から相応の時間が経ち、熱狂的な人気は落ち着いて来た感じで、これからが真骨頂の見せどころだと思います。

・・と期待はしつつ、身体の疲れからか、かなりの時間居眠り状態でした。

演芸資料展・寄席ビラの楽しさ

寄席資料館 寄席資料館


今日は、寄席文字づいています。
竹橋での「寄席文字作品展」から国立演芸場に来ると、演芸資料展示室でも、「寄席ビラの楽しさ・寄席文字入門」と題して展示されていました。
寄席・落語に使われている文字も様々で、これを江戸文字の一分野として纏め上げた「橘右近」師匠の功績は大きいですね。
昔のビラ字から、今の寄席文字まで、数多く展示されているだけでなく、寄席文字の筆順を示してあったり、寄席文字好きにはたまりません。
自分で書けたら楽しいでしょうねぇ。

寄席文字作品展

寄席文字作品展  寄席文字作品展
お見舞いの後は、竹橋に行き、我々のめくりを書いてくださっているHさんの作品も展示されているはずの「毎日アートギャラリー・寄席文字作品展」へ。
小じんまりした会場に、教室の講師の春亭右乃香師匠の作品のほか、講座の生徒(お弟子)さんたちのものも、展示されていました。
もはや、看板用・ビラ用の文字ではなく、広く江戸文字というアートですね。
会場にノートが置いてあり、来場者がコメントを書いてありました。
見ると、昨日、先輩の「南亭蕪生」が来場されていたようです。
私も、「Hさんには大変お世話になっています。見事な作品に驚きました。私も書いてみたいと思います。(某大学落研OB・金願亭乱志)」と・・・。

お見舞い

お見舞い
落研の先輩が入院されて、ベッドの上で読書だけでは退屈で、落語が聴きたいと言っていると伝え聞きましたので、手元のウォークマンを持って、お見舞いに行きました。
自分の好きな噺やネタの噺など、大変偏りがありますが、46人・約140噺がダウンロードしてありましたから、暫くの間は凌いでもらえるでしょう。
枕元には、難しそうな本が置いてありました。
だろうと思ったので、落語の本も数冊持参しました。
当然、圓窓師匠の著作で、私も登場?している「日本人が忘れちゃいけないこの落語」も、ちゃっかりと。
でも、思ったよりお元気そうなので安心しました。

NHK新人演芸大賞

NHK新人演芸大賞落語部門で「春風亭一之輔」さんが、「初天神」で大賞を受賞したそうです。
この賞は、昨年は「古今亭菊六」さんが受賞した賞でしたっけ?
詳細は知りませんが、一之輔さんの受賞というのは、極めて順当と言えるでしょう。
一之輔さんも、今までも何度かチャレンジしていたはずです。

一之輔さんについては、先日ちょっとコメントしたばかりでした。
以下同文・・。
 http://ranshi2.way-nifty.com/blog/2010/10/post-6a98.html

学士会落語会11月例会案内

学士会落語会の11月例会の案内を受信しました。
今回(11月20日)は、通常の例会の前に総会があります。
設立5年目の総会ということです。

例会は、隅田川馬石さんと講談の寶井琴星さんという人。

  ◆ 四段目        隅田川馬石
  ◆ 梶川与惣兵衛    寶井琴星
  ◆ 大石東下り      寶井琴星
    ◆ 中村仲蔵       隅田川馬石

馬石さんは二度目の登場です。楽しみです。
いずれも、芝居(歌舞伎)の噺です。
講釈の方はよく知りませんが、馬琴先生のお弟子さんです。

2010年10月22日 (金)

目の保養・・

目の保養・・ 目の保養・・
ここ数日、はっきりしない天気が続き、奄美地方では大変な豪雨被害が出ているようです。
自宅マンションの花壇は、園芸好きな人がいて、あ、ちなみに私は演芸好きですが、いつも花壇の世話をしてくれています。
何となく暗い天候のもと、鮮やかな色の花々は、目と心を和ませてくれます。

減点パパ

先日、金願亭めがねさんと、春風亭小朝さんの奥さんだった、あの「泰葉」さんの話題になった時に、その昔、日曜日の夜のNHKの大河ドラマの前の時間帯で、「お笑いオンステージ」という番組があり、その中に「減点パパ(ファミリー)」というコーナーがあったのを思い出しました。
コメディアンで番組の司会者の三波伸介さんとゲストの芸能人の家族とのトークコーナーで、最初は家族(通常は子供)が出てきて、三波さんがゲストの芸能人の顔の特徴について質問をしながら、大きなパネルに似顔絵を描く。
描き上がったところで、三波さんが「お父さん(お母さん、お爺さん等の場合もあり)を呼んでください」と子供を促し、子供に「パパ〜」「お父さ〜ん」などと呼ばれてゲストが登場する(この時、はじめてゲストが誰なのかわかる)。
三波さんは、ゲストに対して、例えば「○○君がお父さんにやめてほしいと思っていることは何でしょう?」などと家族についてのクイズを出し、正解すると似顔絵の周りに○、間違えると×の札を付ける。
間違えると、三波さんに「違います」と冷たく言い放たれて面食らったり、子供の発言に三波さんやゲストが驚いたり爆笑したりするなど、三波さんの巧みな問いかけでゲストの意外な一面を見られることが魅力でした。
コーナーの最後に、ゲストについて子供が書いた作文を子供自ら読み上げる。
ゲストや三波さんが思わず涙を流すことも多く、最後には三波さんが似顔絵の上に大きな○の札をつけて丸くおさめるというものでした。

確か、この番組に、小学校低学年だった頃の泰葉さんも出演したはずです。
勿論、パパは言わずと知れた昭和の爆笑王「林家三平」師匠。
やはり小学生だった私は、大河ドラマの前に必ずこの番組も見ていて、「可愛い子だなあ」と思ったのを覚えています。
(ませた"ガキ"でした。)
以来、三平師匠ご令嬢の泰葉さんは、当時のインプットそのままに、ずっと私のイメージに残っていたのです・・・・。
・・・あの騒ぎが起こるまでは・・・・。
Σ( ̄ロ ̄lll)
まぁ、これぐらいにしておきましょう・・・。

落語「筍(たけのこ)」

柳家喜多八師匠の十八番だと思います。何度か聴きました。
演目の正式な?名前は知らなかったのですが、どうも、そのまま「筍(たけのこ)」と言うらしい・・。

殿:これこれ可内(べくない)、今日の昼飯の采は何じゃ?
可:筍(たけのこ)でございます
殿:ほ〜ぉ、筍とは珍味じゃが、いずかたよりか到来を致したか?
可:到来は致しませんので
殿:しからば八百屋にて買い求めたか?
可:買い求めも致しませんので。
殿:買い求めもせず、到来もせぬ筍が、どうして家(うち)にあるな?
可:いや、お隣りの筍がね、こっちの庭へ頭出しよりましたんで、
  それを掘り取りましたんで
殿:何ということを致す。渇しても盗泉の水を飲まずとは古人の
  戒め、 隣家のものを無断にて掘り取るという事はあるものか。
  たわけめ。 ……とは言ぅものの、ワシもそういう事は好きじゃ
可:あぁビックリした。 旦那お好きですか……
殿;しかし一応隣家へこたえねばいかん、これから 行って参れ。
可:何と言ぅて参りますか?
殿:そうじゃな……慌ただしゅう走り込め。
  「不埒でござる、不埒でござる。不埒憤妙、不埒不体(ふらふっ
  たい)でござる。ご当家様の筍が手前屋敷へ泥脛(どろずね)を
  踏み込みました。戦国の世ならば間者(かんじゃ)も同様な奴、
  召し捕って手討ちに致します故、その段ちょっとお断りをいたし
  ます」 そう言ぅてこい。
可:慌ただしゅう走り込むか・・・・「えぇー、不埒でござる、不埒で
  ござる。不埒憤妙、不埒不体でござる〜」
隣:これは隣家の可内、慌ただしゅう何事じゃ?
可:ご当家様の筍が手前屋敷へ泥脛を踏み込みました。戦国の世
  ならば間者も同様な奴、召し捕って手討ちにいたします故、その
  段ちょっとお断りを致します
隣:不届きな筍の振る舞い、お手討ちは止むを得ぬが、・・・遺骸は
  こちらへお下げ渡しを願いたい。

・・・・なかなかコンパクトな噺です。

2010年10月21日 (木)

鈴本10月下席

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寄席は今日から下席の芝居になります。
鈴本演芸場は、特別企画「萬窓九選・秋の夜長にたっぷりと」と題して、トリの三遊亭萬窓さんがネタ出しをした公演です。
圓窓師匠直伝の長講や珍しい噺もありますから、是非聴きたいものです。
それに、圓窓師匠が仲入り前でご出演ですから。
      http://www.rakugo.or.jp/2010-10simo-mansouneta.html
   http://www.rakugo.or.jp/2010-10shimo-yoru.html

 21日(木)  明烏       まず(初日)はちょいと腕試し
 22日(金)  柳田格之進   早くも大ネタ登場!
 23日(土)  佐々木政談   うんうん「窓門」の十八番です
 24日(日)  (休演)      (代演は扇辰さんの「甲府ぃ」)
 25日(月)  紺屋高尾     これこそ三遊亭です!
 26日(火)  文違い      いよいよ艶っぽい世界に・・
 27日(水)  匙加減      圓窓師匠直伝中の直伝?
 28日(木)    火事息子    親の心情に迫る・・・
 29日(金)  文七元結    説明不要の「ザ・落語」!
 30日(土)  寝床       殿(しんがり)は明るく陽気に!

東横落語会・古今亭志ん朝

Img 小学館からのDM。
あの「東横落語会」での古今亭志ん朝師匠のCDシリーズの案内。
「初出し」を謳っています。

残念ながら「東横落語会」には、私の落語徘徊は間に合いませんでしたが、
やはり志ん朝師匠なんでしょうねぇ。

そう言えば、2年ぐらい前に小学館で刊行していた「落語昭和の名人」というCDシリーズの続編は出ないのでしょうか・・・?
楽しみに待っているのでありますが。

最近、自分が高座に上がらせてもらう機会が増えてくると、DVD(映像)がほしくなりますね。
志ん朝師匠の「浜野矩随」の観音像は、こけしぐらいの大きさだなんてね。
やはり映像でないと分かりませんからね。

寄席文字作品展

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先輩の四分椿(渋珍)師匠から、いつも我々のめくりを書いてくださるHさんの師匠の「春亭右乃香」師匠が講師をなさっている、毎日文化センターの「寄席文字教室」の受講生作品展の情報がありました。
寄席文字も、いまやカルチャー、アートの時代ですが、上手く書けるようになりたいものです。

     ◆「第一回寄席文字教室」受講生作品展◆ 
 [日時]  10月13日(水)〜27日(水)
         平日:10時〜19時
         土曜日:〜16時
         日祝日:休み
 [場所]  毎日文化センター(竹橋・パレスサイドビル1階)

Hさんの作品も展示されているのでしょうか?
何とか行きたいのですが、残り日数が少なくて・・・・。

「落語百選」のバインダー

大変瑣末な話。
Series_guide_4 デアゴスティー二の「落語百選」は、50巻刊行後、アンコール20選という、カーテンコールに応えたような追加企画で、プラス10巻を刊行中です。
定期購読をしていて、10冊ファイルできるバインダーに綴って来たのですが、アンコールシリーズのおかげで、バインダーが足りなくなってしまいました。
「バインダーは書店でお求めください」とあつたので、何ヶ所か回ってみたのですが、少なくとも、私の目につくところには、どこの書店でも置いてありませんでした。
ややイラつきながら、デアゴスティー二社のHPを覗いてみたら、インターネットで注文できることがわかりました。
「できるんだったら、そう書いてくれよ」とプツプツ言いながら、早速ネットで注文。
やれやれ・・・・。
本当に瑣末な話でした。

松戸落語会の案内

Chikusen 知人のHさんから、恒例になった「竹扇 松戸落語会」の案内メールをいただきました。

地元出身の落語芸術協会の二つ目「雷門花助」さんの独演会で、第4回目になります。
私も、お誘いをいただき、初回から聴かせていただいています。

11月7日(日)午後2時・松戸東口会館です。

2010年10月20日 (水)

あぁ東京駅・・?

あぁ東京駅・・
上野駅が私の心の駅なら、東京駅は憧れの駅のような気がします。
最近では、八重洲・丸の内の両方に高層ビルが建ち並び、それでなくても目立たなくなった東京駅。250pxtokyo_station_marunouchi_old

薄暮だったこともありますが、偉い先生が設計したという煉瓦造りの駅舎は、改修工事のため、ほとんど囲われてしまい、寂しい限りでした。
八重洲の語源は、あのヤン・ヨーステンという人の名前からだそうですが、「無粋な工事など、ヤン・ヨーステン(いやン、止して)」ですよ。全く・・。
・・でも、この大改修が終われば、さらに創建当時に近い威容を目にすることが出来るそうですから、もう暫くの辛抱です。

お富与三郎

粋な黒塀見越しの松に・・・
「お富与三郎」というのは、ある時代の方々には、非常にポピュラーな物語なのでしょう。
正しい名前は、「与話情浮名横櫛」(よわなさけうきなのよこぐし)。

一立斎文車(乾坤坊良斎)の講談が原作になっているそうです。
千葉の木更津で起きた長唄の師匠・四代目芳村伊三郎をめぐる実話を題材に、三代目瀬川如皐が歌舞伎に仕立て、嘉永6年1月14日(1853350pxdanjc5abrc58d_ichikawa_viii_an
)に江戸・中村座で初演。
当初は『花三升宿初役』(はなとみます やよいの はつやく)という加賀見山物の一番目に続く、世話物の二番目として書かれたもので、一番目が不評で二番目が好評だったことから、二番目に大幅な書き足しをおこなって一日の通し狂言にし、これを再上演したところ大当たりとなったという・・・。

江戸の大店・伊豆屋の養子・与三郎は、故あって身を持ちくずし、木更津に預けられているが、ある日浜でお富と出会い、一目惚れしてしまう(「木更津海岸見染の場」)。
ところがお富は地元の親分・赤間源左衛門の妾だった。
情事は露見し与三郎は源左衛門の手下にめった斬りにされたうえ海に投げ捨てられる。
それを見て逃げ出したお富は子分の海松杭の松に追われ入水を図る。
ところがふたりとも命をとりとめる。
そして3年。与三郎は実家を勘当されて無頼漢となり、34箇所の刃傷の痕を売りものにした「向疵の与三」として悪名を馳せていた。
一方お富は、和泉屋の大番頭・多左衛門のに引き取られ、その妾となっていた。

ある日、与三郎はごろつきの蝙蝠安とともにある屋敷に強請りに来るが、そこはなんとお富の妾宅だった。
片時もお富を忘れることができなかった与三郎は、お富を見て驚くと同時に、またしても誰かの囲いものになったかと思うとなんとも肚が収まらない。
ここで恨みと恋路を並べ立てる名科白があり、やがて多左衛門のとりなしで二人は金をもらって引き上げる(「源氏店の場」)。
お富は与三郎を兄だと言い繕ったのだったが、実は多左衛門こそがお富の兄であり、多左衛門は全てを承知の上で二人の仲をとりもとうとしていたのである。

この後は、お富のもとに引き返した与三郎が、和泉屋の番頭が海松杭の兄であることから赤間一味の悪事を嗅ぎつけ、復讐を誓う。
後半は、和泉屋の与三郎の強請り、野陣ガ原での与三郎の捕縛、続いて「嶋の為朝」という所作事が入り与三郎の遠島が暗示される。
そして島を抜けた与三郎が下男の忠助のはからいで縁を切った生みの親に出会う情感豊かな「伊豆屋店先の場」、平塚の土手で与三郎が赤間と再会する世話だんまりのあと、大詰は旧知の観音久次の自己犠牲で与三郎の傷跡が消える「観音久次内の場」となる。ただし「伊豆屋」以外はあまりよい出来ではなく、今日ではほとんど上演されることがない。

特撰落語会での正雀・馬生両師匠の「お富与三郎」のリレーは、この冒頭の部分です。
「ご新造さんへ・・・・、いやさお富、久しぶりだなぁ・・・」という名台詞は、もっとずっと後の場面です。

東西落語研鑽会

すっかり忘れていたのですが、3年ぐらい前まで「東西落語研鑽会」という落語会が、有楽町のよみうりホールで開催されていました。
春風亭小朝さんを中心にした「六人の会」という、東西の人気若手落語家のグループが、東西の落語の交流を目的に開いていたもので、かなり人気の高い落語会でした。
落語に戻ったばかりの私は、一生懸命「@ぴあ」でチケットを購入して通いました。
この落語会は30回ぐらい続いたのでしょうか。
そして、やはり「六人の会」が主催していた、あの「大銀座落語祭」の終了と同じタイミングで、何となく開催されなくなった気がします。
「六人の会」が解散したんでしょうか。
先日、金願亭めがねさんとこの落語会の話題になった時に、この落語会では、なぜかロビーで「豚汁」を販売していたのですが、当時まだ小朝夫人だった泰葉さんが売っていたと言うんです。
ええぇぇぇぇ! あたしゃぁ、ちっとも気がつきませんでした。
豚汁よりも、隣で元気なお兄さんが売っていた「コロッケパン」が美味そうなので買った記憶があるのですが、豚汁はねぇ・・。
あ、それから、コロッケパンのほかに駄菓子なども売っていました。
あの頃はまだ「夫唱婦随」だったんですかね。
でも、めがねさん曰く、「泰葉さん、この地味な役回りのストレスが溜まりに溜まって、暫く後にあのおぞましい出来事が起こってしまったのでは・・」と。
う〜ん・・げに恐ろしき・・・妄念じゃぁぁぁぁ。

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2010年10月19日 (火)

杜の家頓平師匠

杜の家頓平(もりのや・とんぺい)。
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東北大学落語研究部を象徴するような高座名なのです。
名前の由来・意味をご説明しましょう。
まず亭号の「杜の家」、これは説明するまでもなく「杜の都仙台」そのものです。
それから「頓平」は・・・、「東北」を麻雀読みをすると「とん・ペい」。
それに、昔から学生に優しい街の仙台では、東北大学や東北大学生のことを、普段から親しみをこめて、「トンペイ」と呼んでいます。
要するに、「仙台の東北大学生」という、極めてストレートな意味なのです。
その「杜の家頓平」の名跡?は、落研創部50年を経て、6~7代目まで襲名されているようですから、落研で一番由緒のある名前だと言えるでしょう。
(なお、三代目あたりから「杜の家とん平」と表記しています。)
ちなみに、「金願亭乱志」は私が二代目。
しかも、私の後の名跡襲名(そんな大袈裟なものではありませんが)は、未だに途絶えたままのようです。残念ながら乱志はまだ二代限りなのです。
決して「止め名」にしている訳ではありませんが・・・。
そうか、二代目の看板が余りにも大きすぎて・・、そんな訳はないし。
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その由緒正しき名前の中で、やんごとなき初代杜の家頓平師匠の最近の話題。
草創期直後の私の大先輩であり、東京落語会の会員仲間でもあるのですが、いよいよ45年の時を超えて、高座にお上がりになるそうです。
お聞きした限りでは、ご実弟とお二人で、老人施設に慰問をされるようで、直接存じ上げませんが、これまた落語に造詣がお深い弟さんが2席、頓平師匠が1席、後期高齢者の皆さんの前で、ご機嫌をお伺いなさるという・・。
頓平師匠の演題は、現役時代の十八番「一目上がり」だということで、演題まで煮詰まっているのですから、これは本物・マジということですよ。
220pxtohoku_university28katahira_no何でも、先月の仙台でのOB落語会で、現役の「世間亭節介」さんの「一目上がり」を聴いて、長年封印して来たマグマが溢れ出て来たようですから、私は大喜びです。
「次のOB落語会は、伝説の名刀『頓平刀』?が、その姿を現すということですね。」
「いやいや、到底落研OBの『四天王(友楽・志ん志・寝蔵・乱志)』の中には入れないよ。」
なんて謙遜されていますが、一度高座に上がってしまえば・・・・。

「落研OB三羽烏」、あるいは「四天王」・・・・。
うわぁ、聞き心地の良い言葉・・・。

猿・鹿・熊・・・・

猿後家・鹿政談・熊さん、なんていうんじゃありません。
奥山に棲んでいるはずの動物たちが、里山はおろか人里まで出没して、住人を襲って怪我をさせるという、大変なことになって来ました。

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一方、学術的な観点で生態系を見ると、例えば「月の輪熊(ツキノワグマ)」などは、東京都では「絶滅危惧種」になっているんだそうです。

雑木林がなくなって、木の実や山菜が減ってしまい、動物たちは餌を求めて里山に降りて来る。
里山も、高齢化・過疎化で荒れて来て、さらに人里にまで出て来る。
日本の山野は大変なことになっているんです。

熊の生態に詳しい森林総合研究所は、主食となるブナの実の不作を原因に挙げる。
ブナは5~7年ごとに大豊作の年を迎えるが、今年はかなりの凶作。
「冬眠を控えた熊が餌を探し、活発に動き回っている」と推測する。
 熊は東日本では11月初めまで、西日本では同月末まで活動し、冬眠に入るとみられる。「屋内で熊に出くわすと人はパニックになるが、熊も同じ。刺激を与えてはいけない」と指摘。
慌てて大声を出したり背中を向けたりせず、ゆっくり後ずさりして離れるよう助言する。
熊に出会ったら死んだふりをするというのは、あながち間違った対応ではないのかもしれませんね。 

私の郷里でも、猿が暴れて困っています。
やっこさんたちも賢いので、猿とイタチごっこをしているという、洒落にもならない状態です。
共存して行かなければならないと思いますが・・・。

「権兵衛狸」や「王子の狐」なんていう時代は良かった・・・。
ある日 森の中 熊さんに 出会った冗談じゃありません・・・。

落語家の値打ち

当代金原亭馬生師匠の本。うなぎ書房・2100円(税込)。

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特撰落語会の会場でも、弟子の馬吉さんが会場内で販売。
温かいお客さんばかりで、15冊ぐらいが飛ぶように?売れていました。
サイン入り特価2000円でしたが、衝動買いにちょっと我慢しました。

落語界の名門・古今亭一門の大名跡を継ぐ当代(馬生)が、噺家生活40年を初めて語る志ん生・志ん朝・早生の師匠馬生・そして鹿芝居のこと。

昭和50年。落研1年生の時。馬生独演会。
生まれて初めて話した噺家さんが、前座の金原亭小駒さんでした・・・。
当代の馬生師匠です。

銀座(木挽町)生まれの江戸っ子気質。あの大名跡「馬生」を継いだ多彩な落語家当代馬生。古今亭一門志ん生、先代馬生、志ん朝。そして先代柳朝、談志、小三治らとの日々。古典よし、芝居よし、芸に賭けた思いの丈を初めて明かす。

2010年10月18日 (月)

真打競演?

さぁ、月曜日のNHKラジオの"真打競演"だと、ラジオのスイッチを入れると・・・・、何とプロ野球パリーグのプレーオフの中継中・・・。
そして、「今日の”真打競演”はお休みいたします」というアナウンス。
ちょうど千葉ロッテ・マリーンズが加点して「5対2」となり、勝算濃厚となった時でした。
どちらかというとロッテを応援していますから、まぁよしということで。

ロッテ(当時はオリオンズ)は、私の学生時代には、仙台を準フランチャイズにしていました。
監督はあの”カネやん”こと往年の400勝投手の金田正一監督。
ピッチャーは、成田・木樽・村田の三羽烏、打線の中心は有藤通世とレオン・リーあたり。
当時のパリーグは人気がなくて、県営宮城球場はガラガラでした。
でも、そこそこ強くて、当時は2シーズン制のプレーオフをやっていて、阪急や近鉄と対戦していたものです。
そうそう、宮城球場のスタンドの売り子のアルバイトもやりました。
「ビールいかがですかぁ」「コーラいかがですかぁ」「弁当ぉぉ」って。
「ロッテ対太平洋」のダブルヘッダーなんぞは、2試合の観客を合計しても、せいぜい2,000人ぐらいでしたから、ビールもコーラも弁当も売れる訳がありません。
地元のMテレビのアルバイトで、ロッテの試合中継のお手伝いもしていました。
(そういえば、古今亭志ん五師匠[当時は志ん三でした]のアテンドをしたアルバイトも、このMテレビからの紹介でしたよ。)
全盛期の村田兆治投手の"マサカリ投法"は凄かった・・・。
その後、大学生だった娘が、何故か野球が好きになり、千葉ロッテマリーンズの"M☆Splash"というチア・チームのメンバーになったりして、何とその年に日本一になったりして。
そうそう、話はまた昔に戻りますが、同い年の地元M高校のWという投手が、ロッテにドラフト2位で指名され、入団しましたっけ。(1軍に上がることなく退団しましたが。)
・・・ロッテとは、何か縁みたいなものはあるんです。

あれっ?「真打競演」ではありませんでした。「投打球宴」?
看板に偽りあり。
本当は、柳亭市馬さんが出演する番組のはずだったのに・・。
フレー!フレーッ! ロッテぇ〜!


質屋芝居

特撰落語会で聴いた正雀師匠の「質屋芝居」。
初めて聴いた噺でしたが、どうやら元は上方落語のようです。
Dsc16189_2 芝居といえば正雀師匠。
巧みに芝居の場面と現実の場面の切り替えながら、最後まで楽しく聴くことができました。
「忠臣蔵」が分からないと、訳がわからないという部分もありますが、芝居の雰囲気は感じることが出来るでしょう。
考えてみれば、「四段目」や「七段目」という、比較的ポピュラーな噺も、歌舞伎を知らなかった学生時代は、ちんぷんかんぷんでした。
この噺も、今ではなかなか受けづらい噺でしょう。

ある質屋の小僧は芝居好き。
客の預かりものの紋付の羽織を取りに蔵まで行ったが、そこで芝居の真似を始めてしまいます。
なかなか戻らないので、やはり預かりものの布団を取りに行きながら、様子を見に番頭が蔵に入りますが、この番頭も芝居好きで、それに加わってしまいます。
さらには主人が行くことになり・・・・、主人までもが、それに加わってしまい、もう商売どころではありません・・・・。

オレンジ色の電車

JR中央線のオレンジ一色の電車が、昨日で完全に姿を消したそうです。
何でも、車体をカラーリングしたのは中央線が最初だったそうで、昭和32年だったとのこと。

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その後、山手線も、京浜東北線も、車体が一色で塗られるようになりました。
最近は、新車両に変わる度、全体ではなく、サイドラインに彩色するパターンになって来ましたが、いよいよ車体一色がなくなるということです。
そう言えば、常磐線の快速電車も、ちょっと前に全て新車両に変わりました。

それにしても、「にわか鉄男」の多いこと。
「人生を一緒に歩んで来た電車なのでさびしい」・・・・?
「嘘つけ!車内でゲーゲーしてたのはお前だろう!」。
「それとも、毎朝線路沿いを歩いていたんかい!」

2010年10月17日 (日)

ラジオ寄席

特集「さようなら古今亭志ん五さん」。
昔昔亭桃太郎師匠、立川左談次師匠と弟弟子の古今亭志ん橋師匠との座談会。
昔、NHKのラジオで「思い出の芸と人」みたいな番組があって、故人となった昭和の名人たちを偲ぶ番組がありましたが、最近こういう追悼座談番組は久しぶりに聴く気がします。
面倒見が良くて、まとめ役で、信望も厚いお人柄。
酒もたばこもやらないという、外見からは信じられない、真面目な人だったそうです。
真面目なだけに高座で弾けたという面もあるのかもしれません。
あの与太郎も、熱演なだけに体力を使ったのでしょう。晩年は演らなくなりました。
と同時に、古今亭の大きなネタにもチャレンジし始めたと・・。
ちょうど志ん朝師匠が亡くなった頃とも符合するようです。
若い頃、真打試験に反対して拒否したという硬骨漢の部分もあったようです。
あの悪評高い真打試験ですよ。
仙台で一日ご一緒させていただいたことを思い出しますが、あまり強い印象がないのは、高座以外では真面目な噺家さんだったからかもしれません。
大切な噺家さんを若くして失ったと、改めて感じました。
改めてご冥福をお祈りいたします。
 ◇ 火焔太鼓    古今亭志ん五

東京落語会のプログラム

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先日の東京落語会のプログラム。
布目英一さんという方の、"私が思う落語の楽しみ方"という一文が載っていました。

落語から知識を得ることがしばしばあるという話題。
おっしゃる通り、本当に蘊蓄に富んでいると思います。

その話題に「浜野矩随」のことも出ていました。
これは、固定観念、リアリズムの観点からかなと思います。
「腰元彫り」というのは、小さな彫金細工なのですが、木彫りのように演じている噺家さんがいるようです。
十八番にしていた先代の圓楽師匠は、小さな腰元彫りの描写を高座で演じたら、仕草が小さくなってしまって、観客に分かりづらくなるから、描写として正しくなくても、木彫りのように大きな動作にするべきだと仰ったとか。
確かに、志ん朝師匠のDVDを視聴すると、観音像をこけしぐらいの大きさで演っていらっしゃいます。

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一方、志の輔さんは、根付けに使う彫金細工として、せいぜい小指ぐらいの大きさの観音像を、そのまま表現している。
志の輔さんの仕草を見て、決して小さくなってしまっているとは思いません。
私も、「浜野矩随」を演る時に、師匠からアドバイスいただいたこともあって、リアルに描こうとしました。

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そもそも腰元彫りすら知らずにやっている噺家さんがいるんじゃないかと・・・。
疑い過ぎですか・・・。

ちなみに、圓楽師匠のは、仏像の大きさを演出していないというか、手に持ったりする仕草はありません。随分ずぼらな表現です。圓楽師匠らしい・・?

落語のリアリズムと嘘・・・。絶妙のバランスが必要です。
要は、観客が正しくイメージしやすい、膨らめやすい演出が必要だということでしょう。

あれっ?すっかり本題から外れてしまいました。
まぁ、いいか・・・。

深川めし・深川丼

深川江戸資料館の前に、「深川宿」という深川めし・深川丼の店があります。
深川名物を食べさせてくれる小奇麗で小さな店です。

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久しぶりに深川江戸資料館に来たこともあり、落語会が始まるまでに時間があったので、これまた久しぶりに入りました。
深川めしと深川丼がセットになった「辰巳好み」を注文。何と2100円。

時間が早かった(中途半端だった)ので、先客もなく、店のこととおしゃべり。
主:「今日はどちらへ?」
乱:「これから、前(深川江戸資料館)で落語。」
主:「まだ早いから、清澄庭園や資料館を見たら?」
乱:「いや、両方とも行って来ちゃったんですよ。」
主:「今日(の落語会)は誰?」
乱:「特撰落語会で、馬生さんと正雀さんの二人会」
主:「へぇ~、特撰落語会もやってるんだ」
乱:「1年ぐらい改修工事していたから。またやるみたいですよ。」
主:「そうそう、1年以上休館していたからねぇ。」
乱:「改修期間中は、随分お客さんも減ったんじゃないの?」
主:「大変だったよ。ただ、ウチは富岡八幡さんのそばにも店があるから・・」
なんて言っている間に、お目当ての「辰巳好み」が出るわ、客がぞろぞろ入って来るわ・・・。
どちらかというと、炊き込みよりも丼が好きかなぁ。
少し甘めの味噌とアサリのバランスがいいですよ。
海苔のかおりの吸い物が上手かった。
・・・らしさの一端を味わうことができました。
ところで、深川めしと深川丼の区別というのは、あまり意味がなさそうですね。
≪深川めし≫
アサリのむき身を味噌汁の具にしたものを茶碗や丼にのせた米飯にかけたもの。
気の短い江戸っ子の漁師が飯と汁物を一緒に食べる為に考案された。あさりの産地ではポピュラーなものとなっているものだが、東京の深川が代表格であり、「深川めし」と呼ばれている。なお、近年増え始めた深川めし屋は炊き込みタイプの上品なものとなっている。
≪深川丼≫
飯の上に、アサリやハマグリとネギなどの野菜などを煮込んだ味噌汁をかけた丼のこと。
隅田川の河口あたりは、アサリがよく取れたため、江戸時代末期に江戸深川の漁師が食べたのが由来。漁獲が豊富で単価が安く、調理が簡単なため素早く出来、さらに素早くかき込むことができることが好まれた。
煮込んだものではなく炊き込んだ物もあり、名称も「深川めし」と呼ばれたり、各種アレンジしたものもある。

2010年10月16日 (土)

特撰落語会

深川江戸資料館小劇場。
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改修後初めて行きました。
どこがどう変わったのか、あまり分かりませんでしたが、唯一気がついたのは、男性用トイレの便器が変わりましたよ。
以前のは、なにか奇妙な形で、用をたす時、まごついたのを覚えていますが、どこにでもありそうな普通の便器に変わっていました。
そんなことはどうでもいいのですが。

「特撰落語会~馬生十八番・正雀十八番」。実力派の二人会です。
開場すると、瀧口さんご自身がチケットもぎりをしていたので、「御大自ら大変ですね」と声をかけると、「そうなんですよ。今日は人手が足りなくて・・」。
・・・驚くほど入りのよくない客席でした。

  ◆ 牛ほめ               三遊亭ありがとう
  ◆ お富与三郎~木更津       林家正雀
  ◆ お富与三郎~赤間の仕返し   金原亭馬生
  ◆ 質屋芝居              林家正雀
  ◆ 井戸の茶碗            金原亭馬生

やや寂しい客席にも拘わらず、正雀・馬生両師匠の熱演を堪能しました。
お富与三郎のリレーは、この二人ならではかもしれません。
・・・こういう噺を聴いていると、大変失礼な言い方になりますが、物凄い大ネタで観客もその気になるのですが、実は滑稽噺の方が難しいのではないかと、常々思っているのです。
勿論、地で喋ることが出来る技量が前提になりますが、どうも熊さん・八っつぁんの丁々発止のやりとりの方が、リズムや間などは難しいのでは・・・?
だからと言って、こういう長講を否定する訳ではありません。

「質屋芝居」は初めて聴きました。
正雀師匠のためにあるような噺でした。
芝居(歌舞伎)や忠臣蔵かわからないと、ほとんど英語劇を聴くようになってしまいがちですが、直前に深川江戸資料館で「蔵」を見ていたので、噺の中の「三番蔵」は、妙にリアリティを持って聴くことができました。(尤も、資料館のは米蔵でしたが。)
びっくりしたのは「井戸の茶碗」。
昨夜、頓平師匠から「井戸茶碗」の絵葉書を頂戴したばかり。
これまた、茶碗の姿が目に浮かびました。
勿論、千代田卜斎が使っていた茶碗とは、形も違うのでしょうが。
それで「井戸・・・」ですよ。
馬生師匠の優しい口調が、この温かい噺を、さらに良い雰囲気にさせてくれています。
そうか「井戸の茶碗」ですね。

深川江戸資料館

深川江戸資料館
「深川江戸資料館」には随分久しぶりにやって来ました。
昨夏から約1年間は改修工事が行われていて、落語を聴きに来ることが出来なかったという訳です。
ここの小劇場は、落語を聴くのには本当にぴったりの空間です。
デアゴスティーニの「落語百選」の収録も、このホールで行われていました。
ホールはともかく、この資料館の売りである展示です。

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落語を聴いたり演ったりする時に、この資料館の展示は、物凄く参考になります。
例えば、長屋や商家や船宿などの様子、二八そばや天ぷらやお稲荷さんを売る道具・・。
大がかりなセット?には、屋根で寝ている猫が迎えてくれます。
これを見て、落語を聴いたり演ったりする時の空間、距離感などが実感できるのです。
それにしても、物理的・経済的な理由もあって創り出された、究極の実用的かつ効率的なエコロジータウン江戸の一端を見たようです。

清澄庭園


今夜は「特撰落語会」に行く予定なので、それまで深川(清澄白河)あたりを散策しようという訳です。
ウォーキングで何度も通(とお)ったし、落語会にも通(かよ)っていますから、全く知らない場所ではありませんが、ボーっとするには格好だと思うのです。

やはり「清澄庭園」です。
4月に落語っ子連のメンバー数人で行って、その時は、その後月島のもんじゃ焼きに舌鼓を打ちました。
入園したのは午後2時半頃。秋とは言え暑い日でしたから、西日がかなり強く、日陰を探しながら園内を歩きます。
前回は、桜と菖蒲の端境期で、終わりかけた(かなり散っている)桜と、またせ咲いていない菖蒲を見た記憶がありますが、今回は、彼岸花も終わり、これといった花は鑑賞することはできませんでしたが、日陰の腰掛けに座っていると、池を渡って吹く風は涼しく、眠気を催すほどてす。

深川界隈と言えば「松尾芭蕉」。
園内にも、「古池や・・・」の句碑がありました。
落語を聴く前の、これまた贅沢な時間です。

井戸の茶碗

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「一番好きな噺は何ですか?」という質問に、かなり多くの人が「井戸の茶碗です」と答えると思います。

頓平師匠が、静嘉堂文庫美術館所蔵の重文「井戸茶碗 越後」の絵葉書をくださいました。
へぇぇ~、これが井戸の茶碗ですか・・。
「いびつでひび割れた、そこいらにありそうなただの茶碗じゃないの」だなんて、無粋なことを言っちゃあいけないんです。「ただの茶碗」ではなく「井戸の茶碗」なんです。

講談では「千代田卜斎」は、もとは広島浅野家の家来だったのですが、同僚の讒言で浪人するはめになったんだという。

この噺が人気があるのは、登場人物全員が善人だということでしょう。千代田卜斎にしても、屑屋の清兵衛さんにしても。全編にわたって気持ちよく聴き進むことができます。
そして、この善人の中でも最も光るのが、細川家の勤番「高木佐久左衛門」です。
「千代田氏のご息女であればまちがいはない」と、卜斎の娘を嫁にもらうことを決めるところなどは、大沢親分ではありませんが、「天晴れ!」ですよ。
本人を見もしないで嫁に決めるなんていうのは、現在では考えられないことですが、親を見る(見られる)というのは、極めて重要なポイントだと思います。

「夢金」とは全く逆のオチ、「よそう。また小判が出るといけない」。
潔い、品のある秀逸なオチだと思います。

芝浜の「よそう。また夢になるといけない」、火焔太鼓の「半鐘はいけないよ。おじゃんになるから」とも通じるオチですね。

いつか演ってみたい噺です。

2010年10月15日 (金)

東京落語会

東京落語会
10月から新しい期になるので、周りの席の人も変わります。
私は、相変わらず同じ席のまま、頓平師匠も変えず、金魚師匠は、録画のためのテレビカメラの真後ろで、見えづらかったか、いくらか前の席に変わったようです。

  ◆  虎の子             桂文雀
  ◆ 悋気の独楽       五明楼玉の輔
  ◆ 藪入り             古今亭寿輔
  ◆ 天覧試合          桂米助
  ◆ 棒鱈                入船亭扇遊
  ◆ 品川心中          三遊亭圓歌

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のんびり聴きました。
扇遊さんが、やはり光りました。
圓歌師匠もお元気そうではありますが、「中沢家の人々」をやるような訳にはいかないようでした。
ヨネスケでなく米助師匠は、落語というより、逸話集のような内容が面白かった。
こういう噺も高座には必要です。
それから、寿輔師匠のような噺家さんも。

引き際

柔道の「T選手」というよりも、立派な「T代議士先生」が、柔道の現役引退の意向を固めたそうです。
この人の実力・業績を十分に認めた上で言わせていただくと、この決断は、本人にとって、遅きに失した決断と思います。
考えてみれば、この人の議員としての親分の引き際も、さらに輪をかけて潔くありませんから、師弟でよく似たものだと思います。
参議院議員選挙に立候補した時も違和感がありましたが、二兎を追うことの品のなさは、なかなか払拭できませんね。
周りからちやほやされて、本当の自分を見失ってしまうのでしようか・・・。
あのまま引退して、国会議員などにならず、子育てをしながらプロスポーツ選手のご主人を応援していたら、現役時代の栄光も、ますます輝いたと思うのですが。やはり勘違いしているんでしょうね。
偶然、「夢金」の話題を出しましたが、この中で出てくるフレーズが、妙に附合します。
"欲深き 人の心と 降る雪は 積もるにつれて 道を失う"

夢金

この噺、どちらかというと嫌いな噺でした。
冒頭からの「100両欲しいよぉ〜」という台詞が嫌なのと、オチが下品なところ。

でも、色々な噺家さんが演っている。
・・何故だろう・・?
冒頭とオチ以外をみると、演る方も聴く方も、意外に面白い噺なのかもしれません。

冬の雪の降る夜の描写、雪の白さのほかは漆黒の闇の中。
これをどうやって表すか・・。
手腕が問われるかもしれません。
夢と金。落語の定番要素が2つも入っているのですから、演り応え、聴き応えがあるのは当然なのかもしれません。

雪の晩、浅草の船宿に一癖ありそうな武家の兄と姿造りの良い妹れが深川まで屋根船を頼みに来た。
夢の中でも「金欲し~い・・。200両ぉ~、100両ぉ~でもいい~、」と言うぐらい欲張りの船頭”熊蔵”が一人だけなので、主人も断ったが、酒手を弾むからと仮病も引っ込め船を出した。
大川に出て雪の中、船を進めるがいつまで経っても酒手が出ない。中を覗くと男は女を飽きずに覗き込んでいるので、酒手を弾めば陸(おか)に上がってやるのにな~と、思っていたが相変わらず酒手は出ない。
船を揺すると中に入れとの言葉、酒手が出ると思い中に入ると、欲張りを見込んで金儲けを勧められる。
 女は妹ではなく花川戸で会った娘。男を追って家出した娘で、男の居場所を知っているからと誘い出してきた。
金を持っているので殺し金を奪って、駄賃を2両くれるという。
武士が泳ぎが出来ないと分かると、人殺ししてまで金は欲しくないし、2両とはしみったれているので嫌だと、震えながら交渉。山分けにしよう、と相談が決まった。
船の中で殺す訳にはいかないので、中洲に降ろしてそこで殺す事に決まった。
浪人をまず中洲にあげといて、とっさに船を大川に引き戻し、「もー少しで、上げ潮になって背が立たないぞ~。侍が”ともらい”と名前が変わって、土左衛門侍め~。ばかぁ~!」と、悪態を付きながら船をまなべの河岸に着けて、色々聞くと本町のお嬢さんと分かった。
 家に連れて行くと、大騒ぎの最中。お礼は後日伺うが、まずは身祝いと酒手を差し出す。
どうせ殺しを手伝っても、その後で斬り殺されてしまうのが関の山と、断りつつ受け取ったが、失礼な奴でその場で包みを破いて中を見ると、50両が二包み。
「100両だ! ありがてぇ」両手でわぁ!と握りしめると、あまりの痛さで目が覚めた。
元の船宿で夢を見ていた。
どうしてそんなに痛いのか考えてみたら、奴さん金と間違え、自分の急所を思いっ切り握りしめていた。
”強欲は無欲に似たり”と言う話。

2010年10月14日 (木)

東大落語会寄席

東大落語会のOB「三山亭多楽」師匠から、いつもながらご丁寧なメールを頂戴しました。
11月13日(土)に開催される、恒例の「東大ホームカミングディ・東大落語会寄席」のご案内です。

さすがに伝統と実績を誇る「東大落語会」ですから「武闘派」も多士済々で、終日にわたって入れ替わり立ち代り高座を賑わせるという、牛乳の膜かオブラートかと言われる層の薄い弱小落研にとっては垂涎の落語会です。
当然、先月の「学士会落語会設立五周年記念公演」でご一緒させていただいた、南達亭玉つき・愛子亭朝大・三山亭多楽の各師匠方も、ご出演されるそうです。
そういえば、玉つき師匠などは、ホームカミングディの腕試しにと、学士会落語会で「出来心」をお演りになったやにお聞きしましたから、相当に力が入っていることと思います。

我々は、今年初めて「お江戸OB落語会」をスタートさせましたが、東大落語会とは比較にはなりませんが、なんとか細々でも続けて行きたいものだと思います。
そういえば、北大のOB落語会も今頃開催されていたはずですから、東京かわら版の11月号に載っているでしょうから、要チェックです。

ところで、多楽師匠、今週の土曜日にも、東大の邦楽などご愛好の方々からお座敷がかかり、トリで一席ご機嫌をお伺いするそうです。
色々な方面からお声がかかり、それを精力的にこなされるパワーには、これまたいつもながら感服してしまいます。

思い出7態・・・

ある人はナルシストだと笑いますが、一生懸命に頑張った足跡だと思い、時々写真を覗いています。
考えてみると、この1年弱は、高座のチャンスを何度かいただけて、色々演らせていただきました。
写真は順不同ですが、左上から【OB落語会(10/9/26)】・【学士会落語会(10/9/18)】・【雑司が谷落語会(10/7/24)】・【お江戸OB落語会(10/5/22)】・【創部50周年記念OB落語会(09/11/8)】・【落語っ子連発表会(10/5/29)】・【千早亭落語会(10/7/27)】の高座姿です。

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いやはや、1枚1枚に思い出深いものばかりで、私の宝物です。
それぞれ撮影して下さった方々にも感謝です。
羽織を着ているのは、金願亭乱志・三流亭流三・千早亭永久のうち、人情噺・長講を演らせてもらっている乱志で高座に上がっている時のものです。

江戸城復元?

江戸の千代田のお城は、徳川さんが太田(道灌)さんから随分安く買ったそうです。
「家安(家康)というぐらいですから・・。」なんていう洒落がありますが、江戸城天守閣の復元(再建)プランがあるそうです。Image
日経新聞のコラムにこの話題が出ていました。

四代将軍家綱の時に、明暦の大火であっけなく焼け落ちてから、将軍様(北朝鮮ではありません)の居城には、その権勢の象徴とも言うべき天守閣がなかったんですね。
元禄時代には、天守閣はなかったんだ・・・。
建て直しをするのに、住宅ローンが借りられなかったんでしょうか?
お堀の周りは、超高層ビルが林立していますから、驚くほどの大きさ(高さ)ではないでしょうが、現在公園として開放されている場所に建てられたら、見栄えはするでしょう。

2010年10月13日 (水)

入船亭扇遊さん

このプログで、噺家さんを「さん」と呼ぶか「師匠」と呼ぶか、一応基準みたいなものをイメージしています。
前座さんや二つ目さんは、当然「さん」です。
問題は真打の噺家さんです。
自分の年齢より若い噺家さんは「さん」付け、年齢が上の噺家さんは「師匠」と呼ぶことにしているのです。
ところが、悩ましいのはちょっと年上の噺家さんです。
具体的に言うと、志の輔、志ん輔、はん治、扇遊師匠あたり・・。
どうやら、「さん」と「師匠」を使い分けている気がします。
概ね60歳以上の噺家さんを「師匠」と呼ぶのが良さそうですね。

さて、扇遊さんです。
静岡県(熱海市)のご出身で、大変親しみを感じています。
一見怖そうな雰囲気もありますが、テンポのある明るい高座は、噺家さんらしさが感じられて、いつも聴きたい噺家さんの一人です。
師匠の扇橋師匠の影響か、時間に余裕のある時のマクラはとても面白いです。
前に出た噺家さんやネタをいじってみたり。
先日の「突き落とし」も、登場人物も多く、大変難しい噺だと思うのですが、見事に演じておられました。いいですね。
てっきり「居残り佐平次」に入るのかと思ったのですが・・・。

落語とピアノのエンソウ会

Img_0002落語っ子連のびす太さんが、11月3日の「落語とピアノのエンソウ会」のweb用のパンフレットを作ってくれました。

http://hamaraku.info/

東京かわら版にも広告が出ています。

「叩き蟹」という噺は、圓窓師匠のオリジナルで、左甚五郎が登場する人情噺を、ピアノとのコラボレーションでという趣向です。  

                三遊亭圓窓落語会 第3弾
    ≪落語とピアノのエンソウ会「叩き蟹」≫
   日 時   
平成22年11月3日(祝)19時開演
   場 所   ティアラこうとう小ホール
    木戸銭
   前売2500円・当日3000円(全席指定)
   問合せ   紅巣亭(くれす亭)・長町
               03-3643-7227 
                  http://cres-mc.com/rakugo.html


皆さま是非ご来場くださいますように。
ご来場ご希望の方は、上記へお電話してください。

師匠の「叩き蟹」の内容は、↓からアクセスしてください。
 http://www.ensou-dakudaku.net/furrok/ta.html#52

落盤事故からの救出劇

それにしても、規模といい、救出法といい、マスコミの騒ぎといい、南米チリで起きた落盤事故は、実に大袈裟なドラマでした。
人命が無事救出されつつあるのは、本当に素晴らしいことです。
救出されたればこそ、大袈裟だの何だの言える訳でありますが。

この一連の救出劇を見て、落語「愛宕山」を思い出してしまったた私は、極めて不謹慎でしょうか・・?

2010年10月12日 (火)

三代目三遊亭歌笑

人気絶頂のまさにこれからという時に、突然死してしまったスターと言えば、ジェームスディーン、赤木圭一郎と、三遊亭歌笑・・・とはかなり言い過ぎですか?
そもそも先の2人とは、顔の並びや輪郭をはじめ、あらゆる面であまりにも違うようです。
でも、3人ともにリアルタイムで知らない私ですから、まぁお許しいただけることでしょう。

暫く前まで、「三遊亭」でなく「三笑亭」だと勘違いしていましたが、三代目金馬師匠のお弟子さんですから、当然「三遊亭」ですね。

同時期に人気を二分していたという、柳亭痴楽師匠の「痴楽綴り方教室」は、音源も多くあり、何度も聴いていますが、「歌笑純情詩集」というのは、聴いたことがありません。
そうそう、この二人とともに、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったのが「九代目柳家小三治」だったそうですから、やはり落語界や落語好きというのは、しっかり押さえるところは押さえているんですね。
この「小三治」こそが、後の人間国宝「五代目柳家小さん」師匠なんですから・・・。

明治時代の「寄席四天王」にしても、戦後間もなくの「痴楽・歌笑」、高度成長期の「圓歌・三平」・・・にしても、人気が高い故の嫉妬もあって、その評価が二分されてますが、異常値や異分子というのは、業界や組織の発展には、ある程度不可欠だと思いますから、彼らは、今の落語ブーム、落語が200年以上も続いて来た、その礎の一部だと思います。
最近は、「お笑い」という面が強調されてか、実力以上に評価されているような人もいるようですが、彼らも落語界の隆盛のためには必要なファクターではあるのでしょう。
せいぜい頑張ってもらいたいものです。

亡くなった「五代目三遊亭圓楽」師匠だったと思いますが、「"爆笑派"というのは、どの世代でも、黙っていても出て来るものだから、放っておけばいい。しかし、芸がきっちりした"本格派"というのは、常に落語界全体で育てて行かなければいけない。」と仰っていた気がします。けだし至言だと思います。

落語百選≪53≫

Issue_53_1 アンコール20選全10巻の3巻目。
専用ファイルが欲しいのですが、本屋でなかなか見当たらずに、イライラしているところです。
デアゴスティーニに直接注文しようかと・・・。

江戸時代の度量衡を理解するのは大変です。
季節・時間・長さ・重さ・お金・・・・、このあたりのイメージが明確でないと、落語の楽しみも半減してしまいます。

そういえば、落語っ子連の円ドルさんが、お金を出すシーンで、両手一杯で盛るような仕草で演ったところ、圓窓師匠が「円ドルさん、今いくら出したの?」と質問。
円ドルさん「五両です。」・・・。
「五両は、相当な金額だけど、小判5枚だから、片手で出せるよ。」
そこで、円ドルさんが銀行員だということがばれてしまったという逸話があります。

「金(かね)と「銭(ぜに)」の区別も必要です。
私が落語っ子連で「三方一両損」を演った時の圓窓師匠との話。
江戸っ子が持たないのは、「宵越しの金」か「宵越しの銭」か・・・?
左官の金太郎が拾った大工吉五郎の財布の中には、「金」が入っていたか、「銭」が入っていたか・・・?
庶民が持っていたのは「銭」だが、この場合はいずれも「金」ではないかということで、イメージが一致しました。
私は、吉五郎の財布には、一両小判3枚ではなく、一分金が12枚入っていたと踏みました。なぜなら、財布に重量感があり、「おぉ、随分『金』が入ってやがる」と言い、「ホン ロゥ スゥ ソゥ・・・」と数えています。

    ◇ 松竹梅     柳家さん喬
    ◇ 夢金      五街道雲助

このアンコール20選の映像は、「ビクター落語会」のものを使っているようです。
この落語会には随分通いましたから、細かい記憶はありませんが、実際に生で聴いているものもありそうです。

春風亭一之輔さん

二つ目の噺家さんで、私が最も多く聴いているのが「春風亭一之輔」さんだと思います。
地元のKさんという方が、一之輔さんの独演会「馬津郷(まつど)寄席」を主催されていて、足繁く通わせていただいていることと、やはり売れっ子ですから、様々な落語会での露出も多いからでしょう。
若手らしからぬ?雰囲気が、一之輔さんの魅力のひとつでしょう。
それにしても、本職の落語で多忙な、稀有な二つ目さんですよ。

先日の「秋の四人はなし」も、さん喬・扇遊・平治の各師匠と一之輔さんの「四人会」でした。
普通ならば、真打3人の「三人会」に、ゲストあるいは助っ人出演というのがパターンだと思いますが、主催者の瀧口さんをもってしても「四人会」とさせてしまう力は、弱冠33歳とは思えないものがあります。
そもそも、「二人会」「三人会」はままあれど、「四人会」などと銘打つ会など、ほとんど聞きません。
天邪鬼の私は、一之輔さんの、何かよくわからない実力と人気に、何故かジェラシーを感じながら、そうそうちょうど何年か前の柳家三三さんを見るような感じで、色々ケチをつけているのです・・・。

2010年10月11日 (月)

連休・・・

体育の日を含む3連休を無駄に過ごしました・・・。
初日は、土砂降りの日の夕方、雨に濡れながら上野界隈を徘徊してみました。
ところが、一転天候が回復した翌日は、終日予定していた楽しみな用事がなくなり、空足踏み状態になってしまいました。
ずっと落語会やら慌ただしい日々だったので、空足で緊張が緩んで疲れが出たのか、丸1日部屋に引きこもって?しまいました。
予報通りの晴天に恵まれた今日も、疲れが取れず、とうとう引きこもりも2日目に突入。
久しぶりに落語以外の、真面目な本を一気に読んでみました。
連休前に買い、少しずつ読んでいたものを、連休で読破したものの、内容はかなり重いものでした。
本はノンフィクションで、前の会社で起こった、かなり世間を騒がせたスキャンダルを、事件の当事者だった社員(面識はありませんが先輩)への取材を通じてまとめたものです。
知っている人の名前も多く出たり、「あぁ、あの時はそういう事情だったのか」などと、あまり愉快ではない話題のオンパレードです。
引きこもりの時に読むのに相応しい?内容でした。
その間に、寝たり、落語を聴いたりしていたという訳です。
2日間完全休養しましたから、明日からは心機一転、元気も出て来るでしょう・・・。
「こんな怠惰な日も必要だ」と無理やり自分に納得させて、「日本晴れ」の2日間を寝て過ごすという、とても贅沢な?休日でした。

体育の日といえば、昭和39年10月10日に開会式が行われた「東京オリンピック」を記念して制定された祝日です。
(いつの間にか10月10日ではなくなってしまいましたが。)
この年は、10月1日に、「夢の超特急」といわれた東海道新幹線が開通して営業を開始しました。
昨日より今日、今日より明日と、前日より明らかに豊かになって行くのを、子ども心にも感じることが出来ましたよ。
高度成長期の真っただ中でした。

真打競演

おかげさまで、アクセス件数8万件も、静かに突破することが出来ました。心から感謝しています。(*^-^)

さて、抜け殻のような引きこもり連休の殿(しんがり)は、NHKラジオの「真打競演」です。いくらか疲れも癒されたかな。

  ◇ 火焔太鼓    橘家圓蔵
 
圓蔵師匠のほかに、「コント山口くんと竹田くん」と「春日三球」さんの”競演”でした。
「春日三球」さんは「乗り物アラカルト」。
あの頃、今は亡き奥さんの「春日照代」さんとの名コンビでの「地下鉄漫才」は面白かった。
コンビと言うのは不思議だなぁと思うのは、三球さんがほとんど喋っていて、照代さんは相の手をいれる程度なのですから、一人漫談でも内容は伝わるのですが、それじゃぁ駄目なんですね。コンビでやるからこそ可笑しい。
それから、美人の照代さんと三球さんのコントラストも良かったのでしょう。寄席で何度も聴きました。いつ聴いても笑いました。
「春日三球・照代」でね・・・・。懐かしい・・。
照代さんが若くして亡くなって、マスコミへの露出は減ってしまいましたが、あの一世を風靡した「三球」節は、相変わらずでした。

圓蔵師匠も、圓歌・三平の後を継いだ爆笑系の師匠です。
さすがに年齢を感じるようになりましたが、まだまだお元気な様子で何よりです。
収録地は広島。「みっちり演ります」と「火焔太鼓」。
顔が売れているから、観客の掴みも早くて反応も良く。

おかげさまで8万件

現在10月11日午後1時ちょっと前。
おかげさまで、このプログへのアクセス数が、あと数十件で「8万件」になります。
「77,777件」の時に大騒ぎしましたので、今回は静かに・・・。
「7万件」が、8月の初旬だったと記憶していますので、約2ヶ月と10日かかりました。
落語を「聴く」・「読む」・「演る」の3つを、バランス良く続けて行きたいと思います。
こんな落語徘徊を、引き続きご贔屓くださいますよう、隅から隅までぇ、ずずずい~っと、御願い申し上げ奉りまするぅ~。 m(_ _)m

2010年10月10日 (日)

ラジオ寄席

プロ野球のレギュラーシーズンも終わり、ラジオ番組の編成も「秋冬仕様」になりました。
TBSラジオでは、今夜から「爛漫ラジオ寄席」が復活です。

   ◇ 鷺とり      柳家小せん
               (鈴々舎若馬改め)
   ◇ 天狗裁き    入船亭扇遊

漫才で、宮田陽・昇さんも出演していましたが、このどちらかが、この間女性噺家の「柳亭こみち」さんと結婚したんですよ。確か・・・。
このこみちさん、「落語界のおんな萩原流行」と自称し、大活躍している二つ目さんです。

扇遊師匠も、好きな噺家さんの一人です。
明るくてテンポのいいところは、師匠の扇橋師匠とも違うのですが、とてもいい師弟です。
入船亭一門も、この扇遊さんをはじめ、扇好・扇治・扇辰さんなど、それぞれ味のある噺家さんたちばかりです。

幾代餅

先日の「秋の夜はなし・四人会」のトリで、柳家さん喬師匠は「幾代餅」をお演りになりました。
マクラで、「幾代餅」か「紺屋高尾」かと想像したのですが、「幾代餅」でした。
興味深かったのは、柳家のさん喬師匠が、どちらをお演りになるんだろうということでした。
というのは、今はさほどはっきりしている訳ではないのでしょうが、「幾代餅」は古今亭一門の噺、「紺屋高尾」は三遊亭ではないかと言われていますので、さてさん喬師匠はどうするのかと・・・。
そんなことには一切関係ないように、さん喬ワールドが展開されたことは言うまでもないのですが、生意気を言えば、清蔵・搗米屋の親方・藪井竹庵・幾代太夫が、全般的に淡白な感じがしたのですよ。
「紺屋高尾」は、高尾太夫が染物屋のおかみさんになってからオチに至るまで、少しバレ噺的な部分もあるようですが、個人的には「幾代餅」の方が非現実の中にも現実的な部分がある気がします。

ところで、学生時代の民法の著名な先生に「幾代通教授」がいらっしゃいました。
当時、「東北大学の民法三羽烏」と言えば、法学部の学生の間では有名で、この先生方の講義が受けられるのを、他大学の学生からは随分羨ましがられたものです。
「幾代通(いくよとおる)」というお名前でしたが、「幾夜通う」なんて色っぽい雰囲気を想像してしまうのは、出来の悪い、不謹慎な学生だけでしょうか。
お亡くなりになって20年近くなりますが、法学(民法)分野での業績の評価は高く、大変真面目で穏やかな先生でした。
そういえば、この「民法三羽烏」のお一人の「鈴木禄彌教授」の講義は、「向こう三軒両隣」の話題が出たり、先生の質問に答えた学生に「するってぇと、君は何かい?・・」なんて、落語に出て来る大家さんのような口調の講義か思い出されます。
ちなみに、「民法三羽烏」のもうお一人は、「広中俊雄教授」でした。

落研卒だと言われ、法学部卒をひたすら隠して来ました?が、一応真面目な一面もあったという・・・。
タイトルの「幾代餅」とは全く関係のない話題でした・・・。

笑いが一番

外出の予定が急遽なくなり、きょうも一日ボーっと過ごしていると、NHKのテレビに、さん喬師匠がご出演です。
出し物は「真田小僧」。
さん喬師匠は、先日一緒に聴いた友人が、「やっぱりさん喬さんは痺れる」という感想を言ったので、「そんなに長い時間正座してたの?」って返したら、「・・・・」。
落語の世界随一のやんちゃ坊主の金坊が活躍する噺。
「初天神」と並ぶ名作です。
確か、さん喬師匠は、この2つの噺を繋げて演っていませんでしたかねぇ。

2010年10月 9日 (土)

鈴本10月下席

鈴本演芸場の10月下席夜の芝居は、特別企画公演で、萬窓九選「秋の夜長にたっぷりと」です。
萬窓さんの師匠である圓窓師匠も、仲入り前でご出演です。
待ちに待った鈴本演芸場へのご出演です。
今春の窓輝さんの真打披露目以来です。
出来るだけ通い詰めたいと思います。
そういう寄席の楽しみ方もありますよね。
問題は仕事の都合です・・。

雨の上野の寄席風景

本降りの雨の中、夕方5時過ぎに鈴本演芸場の前を通りました。
そういえば、この上席は、初日に金願亭めがねさんが、3時半頃から並んだという、柳家小三治師匠の芝居でした。
明日が千秋楽で、土曜日の今夜も、早々に立ち見になっているだろうと、テケツを覗くと、呼び込みのお兄さんが、「残り僅かで〜す」と言っていました。
「そうか、今入れば、何とか座れるのかぁ・・」と、心が騒ぎましたが、大事な人との約束があったので、入る訳には行きません。
チラシのスタンドから、中席以降のチラシを取り、鈴本演芸場を後にしました。
生憎の雨に、昼の主任の桂藤兵衛師匠と夜の小三治師匠の寄席幟が、風にたなびいていました。

桂平治さん

どうでしょうか。
落語協会と落語芸術協会。
私は昔から落語協会がメインで、落語芸術協会の芝居にはあまり行きません。
従って、落語芸術協会の噺家さんを聴くのは、寄席ではなく、ホール落語会になってしまいますので、知っている噺家さんも限られます。
そういう前提ではありますが、かなり差がある気がしています。
鈴本演芸場と落語芸術協会の喧嘩別れも、噺家さんの層の薄さに原因があったと思っています。
落語芸術協会で、一人で看板が上げられる噺家さんはどんな人がいるでしょうか・・。
桂歌丸師匠・三遊亭小遊三師匠・昔昔亭桃太郎師匠・瀧川鯉昇師匠・春風亭昇太さん・・・、それに桂平治さんぐらいでしょうか。
私の偏ったイメージですから、このほかにも素晴らしい噺家さんもいるはずですが。
師匠の十代目桂文治師匠を彷彿とさせ、キャラクターがしっかりしていて、「源平盛衰記」・「お血脈」などの師匠譲りの地噺など、とにかく面白い。
先日は「佐野山」、昨日は「おかふぃ」。実にいい。
昨日の高座では、数年前に患って大手術をした話題を、マクラに振っていましたが、死も覚悟したようですから、芸にも肝が据わって来たのでしょう。
普段から着物姿で、高座では必ず黒紋付の羽織と着物という、これまた師匠譲りのこだわりが、潔くっていいですね。
落語教会の師匠方とも十分に渡り合える実力のある噺家さんだと思います。

おかふぃ

「甲府ぃ」と「おかふぃ」・・・。
よく似た名前にも見えますが、内容は全く違う噺です。
「おかふぃ」は、三遊亭圓生師匠がよくお演りになっていました。
独演会などで、圓生師匠のことですから、ご本人も観客も、最低一席は長講・人情噺が当たり前。
「文七元結」と「おかふぃ」とか、「百年目」と「江戸の四季」なんていう組み合わせは、あったんでしょう。
「おかふぃ」にしても「江戸の四季」にしても、あまり品が良いとはいえない軽い、下品な?噺です。
ある人が、一番嫌いな噺は「おかふぃ」、一番好きなのが「井戸の茶碗」だって・・・。わかりますねぇ。

圓窓師匠も、圓生師匠の「おかふぃ」を随分多くお聴きになったはずですが、やはりあまりこの噺には良いイメージをお持ちではないようです。「五百噺ダイジェスト」でもコメントされています。

「おかふぃ」は、演者としては難しい噺だと思いますが、設定があまり気持ちの良いものではありません。ややグロテスクな感じもしますから、あまり多く演じられていないと思います。
昨日の桂平治さんは、実に見事に自分のものにしていました・・・。

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2010年10月 8日 (金)

秋の四人はなし

「日本橋夜のひとり噺」の特別企画「秋の四人噺~さん喬・扇遊・平治・一之輔四人会」。

  ◆ 金明竹       入船亭辰じん
  ◆ 短命         春風亭一之輔
  ◆ 突き落とし     入船亭扇遊
  ◆ おかふぃ      桂平治
  ◆ 幾代餅       柳家さん喬

仕事の都合で、会場に駆け込んだ時は、既に開演していました。
演芸評論家の瀧口雅仁さん(オフィスぼんが)が主催する落語会ですが、落語っ子連のまどるさんが、いつも受付のお手伝いをしています。
まどるさんは、若い(二十代)のですが、落語が大好きで、しかも全般に落語に詳しい、とても素敵なお嬢さんです。
ロビーに滝口さんがいらっしゃって、「いつもありがとうございます。今前座さんが演っていますよ。」とご案内くださいました。。
「遅くなってすみません」と言いながら、会場の最後列へ。
真打の噺家さんなら、噺が終わるまで待っているのですが、通路側の席だし、まだ前座さんだからということで、そろりそろりと指定された席に向かいました。
会場の日本橋教育会館ホールの座席は特設可動なので、歩くと音がしますから、特に慎重に、慎重に・・・。
指定席をみると、誰か人が座っています・・。
あれっ?きっと席を間違えているのでしょう。
無言で私のチケットを見せると、間違いに気がついたらしく、席を一列後ろに移しましたが、何度も「すみません」「すみません」・・・・。
周囲の人から冷たい視線・・・。
「おいおい。謝らなくてもいから、黙って移って、黙って座ってくれよ。」
高座では辰じんさんが、淡々と「家に貸し猫も一匹・・・・」。
平和な落語会です。
ただ、隣の婆さん二人のお喋りが気になりますが・・・。

師匠の高座本

先日の火曜日、仕事の都合で遅れて豊島区千早文化創造館の「千早亭」に行くと、席に資料のようなものかが置いてありました。
見ると、「圓窓五百噺高座本」とあり、その「甲府ぃ」の巻でした。
あぁそうか、中心になってやってくれている千早亭当富さんから、1ヶ月ぐらい前に、「各自のネタを申告してください。」というメールがありましたよ。
私は、まだ決めていなかったので、「未定です」と返信したんですが、ブログを見てくださり、「甲府ぃ」を師匠にリクエストしてくださったのかもしれません。
Img

それにしても驚いたのは、師匠のその「高座本」です。
以前から、師匠が作っておられることは知っていましたし、落語っ子連のメンバーにも、発表会でチャレンジするネタとして渡されていたのも知っていました。
ところが、私は、今までのネタは全て自前の音源やネタを使わせていただいたので、直接目にするのは初めてだったという訳です。

また、落研の先輩方からは、若い頃の圓窓師匠の大学ノートの話は聞いたことがあり、書き込みや新たに貼り付けたりしたノートは、一度落語っ子連の稽古の時に拝見したことがありました。

一言で言えば、一言で言えないと言うことしか言えませんが、落語界でのワープロやパソコンのパイオニアとも言われる師匠の高座本は「物凄い」の一言。
やはり落語は一人で複数(多数)の人物を演じる芝居だと思い知らされます。
高座本は、その芝居の「脚本」だと言うことです。

2010年10月 7日 (木)

チキン弁当・考

チキン弁当・・
やっと"お預け"を解禁して、チキン弁当を食べました。
ところが、見た感じは昔と変わりませんでしたが、どうも唐揚げがちょっと違うなぁ・・と。
味付けも2種類あって、進化しているのでしょうが、どうも前の方が良かった気がします。
半年ぐらい前に上野駅で買って食べた時は、昔ながらだったと思ったのですが・・・。
あれから内容が変わったのか、それとも作った弁当屋さんが違うのか・・?
もし後者だとすると、"似て非なるもの"が2種類存在しているということですね。
どうやら再度上野駅を当たってみる必要がありそうです。
でもまあ、今日のも美味かったぁ!
    ↓
さてその後、新事実が判明しました。
今日のチキン弁当の製造元は、食べ終わった弁当の包みから、「JR東海何とか」という名前だと分かりました。
・・そうか、するってぇと上野駅のやつとは違う可能性が高いぞ。上野駅はJR東日本だから。
今度チキンと、じゃなくてキチンと確かめないといけませんな。
本当に。

「親分」の訃報

野球解説者の「大沢親分」が急逝されたそうです。
そういえば、先日の日曜日朝の、例の「喝!」を入れる番組には出演していませんでしたね。
最近の親分はいつも着物姿だったのが、落語好きな私にはとても印象的でした。
78歳だったそうですが、突然のことで、大変驚きました。
「親分」なんて言うのは好きではありませんが、存在感のある方でした・・。

馴染みの駅弁

馴染みの駅弁
今日は、大阪日帰り出張。
朝は一旦会社に出て、社内研修の講話の後に大阪へ移動、午後は大阪で採用面接、夜は期初の会議で、8時半から9時の新幹線でとんぼ返りの予定。
今回の楽しみは、車中で正午を迎えるので、駅弁が食べられるということ。
数ある駅弁の中で、学生時代からよく食べているのが、「チキン弁当」という弁当です。
東京駅あるいは上野駅を出る時は、必ずと言っていいほど、この弁当を買って食べたものでした。
最近はご無沙汰でしたが、ただいまの価格850円。
1000円を超える高級品が多い中、極めてリーズナブルです。
正午になるのは、名古屋と京都の間あたりだと思いますから、それまで暫く"お預け"ということになります。

落語とは全く関係ない話題でした。
仕事とも関係ありませんね・・。

千早亭落語会のDVD

7月に「三遊亭圓窓の落語教室」の修了の発表会「千早亭落語会」が開催されましたが、その時のメンバーの方が、DVDにしてくださいました。
201010060020000_2俄か作りだった「千早振る」・・・。
まぁそれはそれは酷いものです。
この日のために慌てて買った浴衣も、何となく糊がききすぎているようですし、肝心な噺はボロボロで。
実は、稽古不足のために、上下を逆に振ってしまった場面があったのですが、これは意外に上手く誤魔化せていたようです。
皮肉なことに、映像が鮮明なだけに、余計にボロが目立ってしまったようです。
表情や口元の動きは、もう少し工夫が必要です。
それから、全体的にもっと顎を引いて喋る必要がありますね。
言い訳がましく言わせていただくと、この高座は、一字一句台詞を覚えず(覚えられなかったのですが)、全体の流れを掴み、自分の言葉やアドリブで噺を進めるというチャレンジの一面(こじつけですが)もあったのですが、技量不足も露呈してしまいました。
とはいえ、また大変貴重なライブラリーが増えました。

2010年10月 6日 (水)

鼓が滝のこと

昨日の千早亭の稽古の時、師匠に学士会落語会(東大落語会)の「三山亭多楽」師匠の「鼓が滝」に関する著述のことを話しました。
例会で「鼓が滝」をお演りになったこと、鼓が滝に関して細かく研究されていて、先日は熊本まで行かれたこと、研究の成果として、一文におまとめになっていること・・・・。
師匠、「へえぇぇぇ。そりゃあ是非拝見したいものだねぇ。」
ということで、昨日はお持ちできませんでしたが、次回の落語っ子連の稽古会に、学士会落語会の「まくら」と一緒にご覧いただこうと思います。

紋三郎稲荷

Kasama_inari「ねずみ」は、我が第2の故郷である仙台が舞台になっています。
「甲府ぃ」「笠と赤い風車」なども、ストーリー展開の舞台そのものは江戸や東海道の宿場であったりしますが、その先に故郷の身延山が出て来ます。
ということで、江戸落語といいながら、田舎ネタばかり演っているようです。

「紋三郎稲荷」という噺があります。
この噺は、松戸の本陣がストーリーの中心になっていて、松戸が舞台の唯一の噺でしょう。
ただ、落語のご当地噺というのは、"火曜サスペンス劇場"のように、その土地土地の観光地を紹介したりすることもなく、淡々と噺が進行しますから、あまりローカル色は出て来ませんね。
尤も、講釈や浪曲と違って、落語はそもそも"どこ"の"誰"というのを意識せず、「どこでもいいじゃない」・「誰でも構わないよ」というスタンスですから、松戸じゃなくても良かったんでしょう。
「王子の狐」もそうですが、狐にとってはとんだ災難ですね。


[紋三郎稲荷] 
常陸国笠間藩の家臣・山崎平馬(へいま)は参勤交代のおり風邪がもとで江戸への出発が3~4日遅れ、「コンコン」と咳をしながら幸手の松原に一人で着きました。
駕籠屋が、松戸までの帰り駕籠だから安くするのでと勧めるので、1貫200 (文)のところを気前よく酒手ぐるみで1貫300で乗る事になりました。
駕籠に乗って、気持ち良くうたた寝をしていると、背割り羽織の間から胴服の狐の尻尾が駕籠の外にはみ出しました。
駕籠屋はそれを見て驚いて、相棒に「紋三郎様の眷属(けんぞく)を乗せてしまったようだ。先ほどから『コンコン』と言うし、駕籠代も値切らず多くくれるし、これは武士ではないぞ」。
それを駕籠の中で聞いていた平馬は悪戯心を起こします。
問われるままに「笠間の牧野家の者ではなく、由緒あるところの者である。これから江戸表は王子、袖摺、三囲、九郎助へ参る」。
行き先はみんな稲荷なので、駕籠屋はびっくりして紋三郎の眷属(けんぞく)だと早合点し、途中一本松は犬がいるからと休まず通って、三本杉の茶屋で一休みしました。
お稲荷さんばかり食べていた。
駕籠は松戸に入ると、笠間稲荷の信心家である本陣に泊まる事になりました。
駕籠屋は主人に「お客は紋三郎様の眷属だから。」と耳打ちします。
その為、丁重なもてなしで、食事も名物のナマズ鍋と鯉こくでやっています。
「コンコン」とやったり、狐の尻尾をチラチラさせるので、泊まりの講中のお客や主人達は隣の部屋でお参りしたり、お捻りを投げたり、平馬は御神酒を飲んで楽しみました。
翌朝、七つの鐘を聞いて、冗談が過ぎたと思いながら旅支度を済ませ、庭に降りると小さな祠があり、一礼をして裏木戸から一目散に随徳寺(ずいとくじ)。
それを見ていた祠の狐が、「近頃化かすのは人間にかなわない」。

落語ファン倶楽部Vol.10

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この「落語ファン倶楽部」も第10巻を数えることになりましたが、巻が進むに従って内容が希薄になり、落語界の一部しか語れていないのを感じて、「そうじゃない。そうじゃない。」ということも多くなりました。
一部のハイになり易い環境と性格の落語ファンのためのものになっている気がします。
編集者の交友範囲や得意分野、あるいは販売上の都合などから来るものなのでしょう。
とはいえ、それを理解した上で、それなりに面白い情報もありますので、全巻揃えているという、とても天邪鬼な読者です。
ということで、これまたAmazonに注文してしまいました。

2010年10月 5日 (火)

紅巣(くれす)亭

Rakugo_main 落語っ子連の三流亭まど音さんは、門前仲町で音楽教室を経営されているのですが、これまた落語が大好きな人で、音楽教室の「クレス」の中に、師匠の落語教室を組み入れています。
http://cres-mc.com/rakugo.html#wrapper

一生懸命に落語の稽古に通う方も多いようで、教室を始めて1年足らずで、既に4題目のネタにチャレンジしている方もいらっしゃるとか。
教室は平日の昼間なので、私は通うことはできませんが、以前師匠が「繰り返し継続して、人前で稽古をすると落語は格段に上手くなるよ。」と仰っていました。

世の中には、食わず嫌いで、ちょっと臆病で見栄っ張りな(まるで私のような)人が多くいますが、そんなことは気にせずに、ふらりと落語の世界に入ると面白いです。
演るのも、聴くのも、やはり日本人が、日々の生活の中から育ててきた芸能です。
触れて絶対損はないと思います。
様々な人との繋がりもできますから。

落語家の了見

4198630321 浜美雪著・徳間書店・1890円(税込)
かなり分厚い本です。

人気師匠30人『笑って、うなって、ジーンとする話』落語ファン必読の1冊。立川志の輔・三遊亭小遊三・柳家喬太郎・桂米團治・春風亭昇太・柳亭市馬・三遊亭白鳥・林家たい平・三遊亭円丈・柳家花緑〔ほか〕

仕方のないこととはいえ、最近の落語本が採り上げる噺家さんには偏りある気がします。
お友達や取材しやすい噺家さん。マスコミ受けする噺家さん。有力な師匠や一門への遠慮。著者のそもそもの偏り・・・。
色々理由はあると思いますが、例えば、「落語家ベスト50」などというのも、インターネットで募集すれば、偏りが出るのは当たり前で、それが読者に誤って伝わっている部分が大きいと思います。
だから、世に出す側も、今風の、誰かを贔屓している著者ばかりでなく、須らく斯界を知る人のものが欲しいと思います。

だからと言って、この本に登場する噺家さんの一部を除けば、誰もが認める噺家さんばかりですから、是非買って読みたいと思います。
考えてみれば、私だって偏っているはずですから。

落語百選≪52≫

Issue_52_1 相撲界では相次いで「千代大海」「朝青龍」という"問題児"が、断髪式を行い、それなりに盛況だったようです。
元横綱に至っては、"大和魂"云々と言っていたようですが、「高潔」こそが武士道や大和魂のベースになっているはずで、一番分からない世界の人なのに、苦笑・哄笑ものです。

落語百選≪52≫(アンコール2号)では、落語と相撲との関わりについて採り上げられています。
「千早振る」「半分垢」「阿武松」「大安売り」「稲川」「佐野山」「相撲風景」そして「花筏」など、相撲そのものや力士(横綱・大関)を扱ったものが多くあります。
櫓太鼓が隅田の川にぃ・・・ 相撲はいいですよ。
櫓太鼓・・、天下泰平・国家安穏・五穀豊穣をと鳴らすという・・。
千早花魁に振られ、すっぱりと大関をやめて豆腐屋になった竜田川。潔くて良いですよ。
「おらが国さで見せたきものは、昔谷風・・」、横綱谷風一世一度だけの"情け相撲"に救われた佐野山・・・。

双葉山の69連勝に迫る白鵬に対して、心ないコメントをする人もいるようですが、自然体で見守ってあげたいと思います。
少なくとも、彼がいなかったら、大相撲は本当に再建不能になってしまったかもしれないのですから。

   ◇ 山崎屋     桃月庵白酒
    ◇  お菊の皿    柳家権太楼

2010年10月 4日 (月)

落語歌謡「西へ行く」

落語「鼓が滝」は、圓窓師匠が落語としてまとめられ、最近では多くの噺家さんが演っておられます。
師匠が凄いのは、この噺を歌(和歌でなく歌謡曲)にしてしまったところです。
先日、学士会落語会の三山亭多楽師匠とも、この歌の話題になりました。
落語歌謡「西へ行く・鼓が滝の唄」。
以前にも紹介したことがありましたが、「You Tube」でも配信されているのです。
 http://www.youtube.com/watch?v=GcV0DQBa_O8

是非お聴きくださいますように・・。

現代落語の基礎知識

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  1. 目からウロコ! 落語が百倍面白くなる!
    落語における「名人」とは? マクラやサゲ(落ち)は何のためにある?など、知っているようで知らなかった用語を解説し、落語が「旬のエンターテインメント」であることを解き明かす画期的落語読本!!

    ・・・という推薦文が付いていて、あの広瀬さんだけど、まぁ読んでみようかと、Amazonに注文しました。

歌所「鼓が滝」

学士会落語会の三山亭多楽師匠からメールを頂戴しました。
先日の例会で、「鼓が滝」をお演りになったご縁もあってか、ご夫妻で熊本の鼓が滝をお訪ねになったそうです。
景勝地の肥後耶馬渓の中に国内で唯一地名として「鼓が滝」が存在しているという・・。
この景勝の歌詠所も、今や土地の地主さんですら知らなかったということでしたが・・・。
いにしえの場所を、往時に思いを馳せて訪ねるというのは面白いですね。いとあはれという感じです。
それにしても、多楽師匠のパワフルな行動力と几帳面なところには、ただただ驚きです。
落語一席をやって、ぜえぜえ言っている誰かさんとはえらい違いで。

音に聞く 鼓が滝を うち見れば 川辺に咲きし タンポポの花

2010年10月 3日 (日)

嬉しい電話

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私の携帯にかつての部下から電話がかかって来ました。
一緒に仕事をしていたのは、前の会社にいた時の部下で、もう4~5年前のことになります。
「今度の人事異動で、4年前の○○長(当時の私の肩書)との約束が果たせました。」という栄転の報告でした。

彼は、とても優秀で真面目だったから、さもありなんではありましたが、まさか電話までくれるとは思っていませんでしたから、びっくりするやら、とても嬉しいやら。
きっと、「約束」が果たせたら報告するんだと、ずっと考えていてくれたんでしょう。
新しいミッションでも頑張ってもらいたいものです。
彼の人生に、いくらかでもお手伝いが出来たのなら、こんなに嬉しいことはありません。

きのふはけふの物語

戦国時代から安土(あづち)桃山時代に活動した御伽衆の「はなし」を編集した『戯言養気集(ぎげんようきしゅう)』『きのふはけふのものがたり』『醒睡笑(せいすいしょう)』は元和(げんな)・寛永(かんえい)(1615~1644)のころの刊行であるが、これらのなかには笑話や落し噺が多数含まれ、明らかに落語の成立を促している。

P30500691落研先輩の但馬家渋珍(四分椿)師匠が、この落語のルーツといえる仮名草子「きのふはけふのものがたり」と「醒睡笑」に出て来るものをまとめているそうで、その「きのふは・・・」の部分の原稿を送ってくださいました。

読ませていただくと、出て来る話は、時代が移ろっても、人間の考えることや感じることはあまり変わっていないんだなぁということ。
要するに、笑いの壺みたいなものは、それほど大きなものではないのかなと・・・。
「そんな昔に既に・・・
」というのと「そんな昔のものをまだ・・・・」という感覚。
・・ということは、この古い書物を紐解いてバラバラにすれば、まだまだ新作・創作落語のヒントが隠されているのではないか・・・。
だからと言って、それを探し出そうという根性は、今のところ持ち合わせていませんが。

わが落研にも、アカデミックな「学究派」がいらっしゃるということは、心強いですよ。
ただ、落語の稽古・・・なんて騒いでいる奴ばかりじゃないってこと

落語とピアノのエンソウ会

Entry_cover1010thumb188x360723東京かわら版10月号に、11月3日開催予定の「落語とピアノのエンソウ会」の広告が掲載されています。

勿論、出演は三遊亭圓窓師匠。
師匠は、今までにも、ピアノだけでなく、篠笛・チェロ、それに落語っ子連の会長でもある無弦(榎本)さんのギター等々、様々な楽器と落語とのコラボレーション公演を演っておられます。
特に昨年は、菊田一夫作「水神」を、ピアノとのコラボで演り、NHKテレビでも放映されました。

今回の公演は、落語っ子連メンバーのまど音さんが企画していますので、とても楽しみにしています。
メインディッシュは、一連の左甚五郎物から「叩き蟹」です。

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「竹の水仙」「ねずみ」「三井の大黒」等々、甚五郎物は多くありますが、実は「叩き蟹」はあまりよく知りませんから、コラボというのではなく、ピュアな噺として、よぉぉぉく聴いてみたいと思います。

「落語とピアノのエンソウ会」は、11月3日(祝日)19時開演・ティアラこうとう小ホールで。

お問い合わせは、03−3643−7227 です。

2010年10月 2日 (土)

神無月寄席風景

201008112121002 池内淳子さんの訃報に接した際、昭和39~42年にTBSで毎週木曜日の夜8時から放映された「ただいま11人」という人気ドラマの話題をこのブログで出したところ、金願亭めがねさんこと「S」さんから、この詳細な情報を教えていただきました。
いやはや、めがねさんのその記憶の物凄さには脱帽です。

そのめがねさん、昨日、鈴本演芸場10月上席夜の初日の芝居に行ったそうです。
なんと言っても、この芝居の主任は柳家小三治師匠ですから、もう午後3時半過ぎぐらいから並んだんだそうです。
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ところが、その時既に並んでいる人が相当いたそうで、私が「何人ぐらい並んでいたんですか?」って聞いたら、「ただいま11人です!」だって・・・。

何でも、出演予定だった色物の「ひびきわたる」さんがいなくなったとかで、その分、トリの小三治師匠のマクラと噺がたっぷり聴けたんだとか。

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小三治師匠の「百川」が終わり、寄席がはねたのが9時を少し回ったあたりだったそうですが、実は9時ちょっと前に、私は偶然にも鈴本演芸場の前を歩いて通過していたんです。
「あぁ、小三治師匠の噺は、今頃まさに佳境なんだろうなぁ。」と、既に閉まっているテケツを横目にしながら・・・。
ウッヒャー 飲み込みました。

落語出演の依頼?

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驚くなかれ、あるルートから落語の依頼がありました。
来年の1月に、市内の某団体が「老人会」を開催するにあたり、落語がいいということで、私の留守中に出演の打診がありました。
へぇぇぇ~、どこで知ったのでしょう。
実は家内が通っている某サークルで、「うちのアホ亭主が落語をやっている」という噂が広まり、それが繋がって話が来たというのが真相のようです。
わがままな素人ですから、正直なところ、うるさかったり、まともに聴いてくれないような会ならご遠慮したいですが、「地域貢献」と言う大義名分のもと、前向きにお話は聞いてみようと思います。
落語っ子連でも、稽古も兼ねさせてもらって、福祉施設などを訪問しようなんという話題もありますので、一度経験してみる価値はあると思います。
でも、「浜野矩随」なんていう噺はやれないでしょうねぇ。

昔からの乱志で行くか、窓門の流三で行くか、ローカルな永久で行くか・・・。
・・・やはり、乱志で行くのが"無難"なんでしょうね。
とんだ、獲らぬ狸の皮算用ですね。

池内淳子さんの訃報

女優の池内淳子さんが亡くなったそうです。
確かTBSだったと思いますが、「ただいま11人」という大家族がテーマのドラマで、山村聰・荒木道子演ずる夫妻のキャリアウーマンの長女役だったのが、初めて知る池内さんでした。
(そうか、この後、肝っ玉かあさん・ありがとう・・渡る世間は鬼ばかりに続くのかぁ。)
小学校低学年の頃でした。
先日亡くなった谷啓さんもそうでしたが、テレビという新しい娯楽にかじりついていた、高度成長真っ只中だった頃のスターでした。
また昭和の香りが消えてしまいました。

2010年10月 1日 (金)

路傍に咲きし

路傍に咲きし
駅までの途中、暑かった夏の朝の清涼剤のようだった朝顔も、晩年のようです。
衰えた身体に鞭打つように、一生懸命に健気に咲いている一輪が目に入りました。

花の色は移りにけりな・・、花の命は短くて・・。

今はもう秋。
今年のあの暑かった夏が嘘のような、随分昔の出来事のような、秋の朝の一コマでした。

東京かわら版

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忙しいというか、自分が落語を演ることばかりに追い立てられて、最近「東京かわら版」をじっくり読んでいない気がしています。
今年も、もう10月になるんですね。
「つい昨日進駐軍が上陸して来たと思っていたのに・・、」とは権太楼師匠のくすぐり。
「光陰矢の如し」・・、光陰というのは矢の如しだなぁという意味。
いずれにしても、時の流れは早いものです。

10月号の表紙は、新真打5人。
今回は、真打披露目には行けませんでしたが、蜃気楼龍玉という古い名前、柳家小せんというお馴染みの名前が復活したり、それなりに賑やかなようです。
そうそう、11月で予約購読の期限になるので、郵便振替用紙が同封されていました。

徘徊の足跡

噺の跡
先日のOB落語会で、とりあえず今年の公式?の高座が一段落しました。
ちょっと思い出してみます。

  ◇  1月11日  千一亭落語会    「三方一両損」
  ◇  5月22日  お江戸OB落語会   「花筏」
  ◇  5月29日  落語っ子連発表会  「浜野矩随」
  ◇  7月24日  雑司が谷落語会     「子ほめ」
  ◇  7月27日  千早亭落語会    「千早振る」
  ◇  9月18日  学士会落語会        「ねずみ」
  ◇  9月26日  OB落語会             「笠と赤い風車」

7回7題をやって来ました。
並べて眺めてみると、よくやったというか、狂気の沙汰というか、仕事をやってるのかというか・・・・。

OB落語会の活動、師匠の前座を勤めさせていただいた落語会、新しい千早亭の素人落語グループ、そして学士会落語会。
金願亭乱志・三流亭流三・千早亭永久は、頑張りましたね。我ながら・・・。

かなり疲れましたので、少しお休みして、また気力をチャージして頑張ろうと思います。
先日も宣言したとおり、「甲府ぃ」と「抜け雀」を・・・・。

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