笠と赤い風車
今回のOB落語会でチャレンジした「笠と赤い風車」。
NHKが昭和40年直木賞作家平岩弓枝さんに書き下ろしを依頼し完成したものだそうです。
文芸物が落語の高座に登る弾みになったとも言われる作品で、正蔵師匠は、この作品で、「芸術祭奨励賞」を受賞しています。
継母のおせんの好意をことごとく誤解してぐれた常吉、おきんという女ににそそのかされ、おせんの十五両を騙し取ります。
おきんと共に旅に出ようとする常吉に、おせんは生母の形見の赤い風車を笠につけてやります。
常吉は、おきんのヒモの仙吉に谷底へ叩き落とされますが、笠が体をささえるように水に浮いて助けられます。
やっとおせんの深い愛に気付いた常吉が大急ぎで家へ帰ると、おせんは両手をまっすぐ空へ上げ、重いものを支えるような恰好で、水につかったようにぐっしょりと汗に濡れて息絶えています。
「おっかさん」と子供のように泣きじゃくる常吉の背中で、風車が風もないのにクルクルクルクルと回っていました。
平岩弓枝さんという著名な作家が書き下ろしたもので、正蔵師匠が大きな賞をもらったということで、学生時代にテープを買い、何度も聴いていました。
ストーリーだけでなく、郷里の身延山・身延参りが軸になっていたのも、興味を持ち続けていた理由です。
何年か前に、正蔵師匠の弟子の正雀師匠のCDにこの噺が収録されていることを知り、早速買って聴きました。
いつかやってみようと考えていたのですが、やっと実現したという訳です。
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