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2010年9月26日 (日)

乱志の「笠と赤い風車」

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今回の「笠と赤い風車」は、時間もないくせに、色々なチャレンジをした結果、実は"初づくし"の高座になりました。
まず、全くの”ネタ下ろし”だったこと。
落語に戻って来てから演った噺は、なんだかんだと言っても、学生時代に演ったことがあるとか、ちょっと触ったことがあったものばかりでしたが、今回は正真正銘の”ネタ下ろし”でした。
次に、稽古の過程を誰にも見ていただいていないこと。
これは、学生時代を通じても初めてのことです。
圓窓師匠にご指導いただく時間もなく、全く誰にも見ていただき(け)ませんでした。高座が本当にぶっつけ本番という蛮行。
それから、実質1週間の稽古で高座に上がったこと。
事前にネタ本を作ったり、正蔵(彦六)師匠のテープを聴いてはいましたが、「学士会落語会」の高座を終えてからちょうど1週間で演るという、さらなる蛮行・愚行でした。

さて、客席で聴いていただいた頓平師匠によれば、マクラを除いて、正味29分かかったそうで、随分な長講になってしまいました。(また蕪生師匠に叱られる?)
とにかく、頭の中に詰め込んだ台詞の堤防が、変な時に変な方向に"決壊"しないように、恐る恐る噺を進めます。
幸いなことに、元ネタが彦六師匠ですから、ゆっくり喋っても違和感がなく、それが何よりでした。
ただ、不思議なのは、あんなに言葉が出なくて苦労していたのに、案外スムーズに出て来たところは、やはり本番でテンションが上がっているからでしょう。
先輩のこり生師匠からは「稽古量が少ない分緊張感があって良かった」という、お褒めのような、そうでないようなコメントを頂戴しましたが、その通り受け止めることにしました。

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途中、下手最前列に座っていた爺、いやご年配のお客さまが、寝息を立て始めました。もう少し呼吸を強くすると確実に鼾になりそうな・・・。
後ろの席の方々には聞こえないようですが、その鼾一歩手前の寝息が、高座にはビンビン伝わって来ます。
そう言えば、以前圓窓師匠が仰っていた「上手い落語を聴くと、心地よくなって眠くなるんだよ。睡眠と落語はマクラが付き物だから。」というのを思い出し、めげずに進めて行きました。

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最近、落語を何題か演って気がついたことがあります。
それは、落語のストーリーの中で、クライマックスというのは、語ると意外に短いものだということです。
「笠と赤い風車」も、演っている本人にしてみると、あっと言う間にクライマックスを通り過ぎたような・・・。

高座を降りた直後に、ぴん吉さんとぽんぽこさんに、それぞれ「何ていう噺ですか?」「・・・・」と尋ねられました。
いくらかインパクトになったのかも知れません。それとも演題を知らなかっただけ・・?
先輩方からも概ねお褒めいただきましたので、どうやら"ボロ"は、あまり出なかったようです。
本番までは苦しかったですが、本番はとても楽しかった・・・。

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