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2010年9月30日 (木)

高座での仕草

高座での仕草
この写真では、右手が高座についていますが、これは「ねずみ」の中で、左甚五郎を迎える、腰の立たないねずみ屋の主のシーンだと思います。
腰が立たないということは、座っているということですから、この仕草は自然に見ていただけば良いということです。
ところが、例えば、これが立っているシーンだった場合、この仕草は立ったまま地面に手をついている仕草になるのです。

圓窓師匠から厳しく言われたのは「三方一両損」の稽古の時。

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財布を拾った左官の金太郎が、落とし主の大工の吉五郎の家の腰障子に指で穴を空けて覗くシーンでした。
左手の親指と人差し指で輪を作って目に当て、右手を高座につけた瞬間、師匠から、「ちょっと待って、右手はそこじゃあ(手を下についちゃあ)いけないよ。」と。
「腰障子に穴を空けて覗くんだから、姿勢は立ったままか中腰ぐらいでしょ。手をつくとね、地べたに手をついて覗くことになる。腰障子のその高さは板が張ってあるはずだから、指で穴は空けられないし、そもそも覗くのに四つん這いにならないでしょ。」・・。
落語は、観客の想像力による映像とのコラボレーションだから、こういうところをしっかり演らないといけないということです。
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手元に学生時代に「三方一両損」を演った写真がありました。
見ると、見事に?しっかりと下に手をついて、四つん這いになって
覗いていました。
が、右手は膝の上に置いてやらないといけなかったんです。

やはり、寄席もなく、今のようなDVDもなく、落語を生や映像で見られないというハンデが、こういう部分で出て来るんですね。
30年経って学んだことでした。
お辞儀をする仕草も、膝の上に手をおけば立ったお辞儀、座布団や高座に手をつけば、正座したお辞儀になるという訳ですね。

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