高座手拭い(桜唐草)
「ねずみ」を演るに当たって、芸のない分を何かで誤魔化そうと、色々なことを考えました。
その一例が、手拭いへのこだわりです。
演題にちなんで、ネズミの柄の手拭いを使ってみようと思い立ち、探してみたのですが、今年の干支でもないので、なかなか見つかりませんでした。
さりとて、同じネズミだとはいえ、ミッキーマウスのような外国の方は使えませんからね。
それでも、やっと桜花にネズミの柄をあしらったものと、猫とネズミの絵柄のものを見つけることができました。
なかなか見つからなかったので、一時は大学の校章で仙台の木でもある(宮城野)萩の柄のものを使おうかと思ったこともありました。
という訳で、昨日の落語会の楽屋には、思いのこもったこの3本の手拭いを持って行きました。その時の雰囲気で決めようということで。
(※写真をクリックすると拡大表示されます。)
高座の座布団の色、私の着物の色、会場の様子などを考えて、楽屋で着替えながら考えた結果、写真の左端の柄のものに決めました。
真ん中の猫とネズミの柄も、オチに猫が出て来ますので捨てがたかったのですが、高座と客席との間に若干距離があつたので、絵柄でなく図柄様を選びました。
こんなことを考えているとは、お客さまには到底分からないでしょうが、こんなこともとても楽しいものです。
ところで、後で調べてみると、今回使った手拭いの柄は「桜唐草(さくらからくさ)」という名前の柄だそうです。
吉祥模様の唐草に、大黒天の使いで、五穀豊穣・子孫繁栄をもたらすという「ねずみ」が隠れていて、桜の花びらがあしらわれています。大変縁起の良い柄のようです。
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