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2010年8月 1日 (日)

落語百選≪48≫

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完結まで本巻含めて3巻。

  ◆ 鮑のし     春風亭百栄
  ◆ たがや     春風亭一朝

かつて「寄席は浮世学問の場」と呼ばれていたそうです。
庶民たちは、寄席で落語を聴いて、様々な知識を学んでいたということです。
考えてみれば、私の落語との接点も、まさに「へえぇぇぇ」というところからのスタートでした。

例えば「牛ほめ」。普請は総体檜造り、天井は薩摩の鶉木目、左右の壁は砂摺りで、畳は備後の五分縁。お床も結構、庭は総体御影造り。それから、天角地眼一黒直頭耳小歯違・・なんて、こんなの学校じゃ決して教えてくれませんよ。。
それから、「道灌」の山吹伝説。これは凄い。
さらに、「金明竹」の口上、「一目上がり」の品物や回文など、語句のひとつひとつを見ると、多くの蘊蓄や教養が詰まっています。
「熨斗(のし)」の話もそうで、こういうのをさりげなく普段の会話に入れると、周囲から尊敬されるものです。

「たがや」というのは、とても面白い噺ですが、落語では珍しく、人が何人も死にます。
そこが、やや気になる噺です。
それから、いつも疑問に思っていたことがあります。
殿様の首がポーンと飛ぶなら、「たがや~」というのは変ではないか。「とのこう(殿公)~ぉ」とでも言うべきではと。(尤も、これではオチになりませんが。)
その疑問が解けました。
もともとは、たがやの首が飛んでいたということが分かりました。
家来は殺したものの、最後は殿様の手にかかってしまうというのが本筋だそうです。
それなら、「たがや~」でおかしくない。
まぁ、いずれにしても、私は演りたくない噺です。
でも、両国の川開きの様子など、賑やかな江戸の様子が描かれていて、こういう部分はいいですよ。

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