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2010年1月31日 (日)

志ん輔師匠

古今亭志ん輔師匠のCDを買いました。

"お客さまからご覧になると、芸人というのはバカな生き物だなぁとお思いでございましょうけれども、なかなかどうして、これでぇ・・バカなんでございましてね。考えようによるってぇと、こういうバカな人間を呼びに来るバカがいるのでございまして、・・それをまた喜んで観に来る・・・・、ありがとうございます。"
・・・志ん輔師匠、お得意のオリジナルのマクラです。
初めて末廣亭でこれを聴いた時、私は、爆笑しながら、同時に背筋が痺れるような衝撃を感じました。うわぁ~こりゃぁ物凄いマクラだと・・・。
この短いフレーズの中に、様々なテクニックや間がちりばめられていると思いました。
そもそも、客席が志ん輔師匠の登場を待っていなければ、拍手が起こるほどの反応が生まれるはずもありませんから。

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収録されているのは、「だくだく」・「王子の狐」・「片棒」。
お目当ては、チャレンジしようと思いながらも躊躇している「片棒」です。

「王子の狐」は、随分前の1986年の録音ですから、若々しい志ん輔師匠です。
真打昇進して朝太から志ん輔になって、ちょうど1年ぐらいの時です。
まだ成長途上にあった時期ですから、若々しい口跡に、大師匠の志ん生師匠の雰囲気を窺うことができます。

そういえば、この頃、NHKの「おかあさんといっしょ」のレギュラーで出演していましたね。
我が家でも、二人の子供が「しんすけさん」なんて言って、大好きでしたよ。じゃじゃまる・ぴっころ・ぽろりといっしょに。

(※1982年4月から1999年3月まで17年間に渡って、NHKの『おかあさんといっしょ』にレギュラー出演。)

志ん輔師匠の噺は、しっかりと台詞として決めて、志ん朝師匠直伝で流暢に語る部分(台本のある部分)と、アドリブ的に喋る部分とのバランスの絶妙さが魅力です。
気だるそうに出て来て、のんびりとした雰囲気で語り始めるのですが、そのうちにそれぞれの噺の世界に誘い込む。

近々、大名跡襲名の噂も現実的になりつつあるようで、久々に納得のできる大看板復活になるかもしれません。

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