トリ・主任・とり
お正月早々から、暮れのような話題ですが、この間の圓窓師匠との話題のひとつに「主任(とり)」というのがありました。
主任・とり・トリというのは、今では、様々な公演などで、最後に登場(演技など)する人のことを言いますが、もとは寄席から出た言葉のようです。
トリとは、寄席で最後に 出演する人。いくつかある演目のうち最後を締めくくる人。その演目。演者の最後を取る(真を打つ)ことや、ギャラを取るところから、最後に出演する人を「トリ」と呼ぶようになったそうです。
紅白歌合戦では、白組(あるいは紅組)のトリ、本当に最後の「大トリ」という使い方をしていますが、寄席には「大トリ」はありません。後で作られた言葉なのでしょう。
それから、我々(落研などの半可通)が、仲入り前を「中トリ」と呼ぶことがありますが、これもないそうですよ。あくまでも仲(入り)前なのです。
ところで、トリの語源にもうひとつ説があるそうです。
それは、「干支(エト)」の酉(とり)から来ているという・・・。
子・丑・寅・・・・・・酉・戌・・・。
酉(とり)は戌(いぬ)の前。「酉の後は誰も戌(居ぬ)」ということで、酉が最後だという説。
これも、いかにも寄席っぽい説ではありませんか。