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2009年12月10日 (木)

止め名

「止め名」について、もう一度整理をしておくことにします。

Encho4_s ①止め名(留め名)
 落語界で、一門あるいは同亭号の最高位の名跡。 この名跡を襲名すると、隠居名への改名以外は、それ以降他の名跡を襲名することはありません。
 江戸落語では、桂文治・三笑亭可楽・三遊亭
生・柳家小さん・古今亭志ん生・林家正蔵など。
 上方落語では、桂文枝・笑福亭松鶴・桂米團治など。

②止め名
 大相撲の四股名で、二度と使われないことになっている名前。
 野球の永久欠番のようなものでしょう・・・。

三遊亭生という名跡は、上記①の意味ならば、何ら疑いのない「止め名・留め名」なのです。が、最近の「止め名議論」は、②の意味を巡ってのものなのですね。

①の観点で考えると、最高位の名前で、これ以上襲名すべき名前はないのですから、普通は、30歳そこそこの若手の噺家さんが襲名することはないということで、周囲から認められない人が襲名するなどという可能性は少なく、一応の歯止めにはなっていると思います。

また、こういう大名跡は、例えば、「小三治→小さん」とか、「
窓→(橘家)蔵→生」など、出世魚でなく「出世名」というのがありますから、本当は、あまり揉めないはずですが、色々予想外の出来事もありますから・・・。一門の中での跡目争いや遺族の意向など・・・いろいろと。

むしろ本当に悩ましいのは、ある噺家さんが一代で大きくした名跡の継承ではないでしょうか?
三遊亭
朝なんていうのは例外中の例外でしょうが、古今亭志ん朝などはねぇ・・・。
個性が強くて、インパクトがあるので、かえって難しいかもしれません。

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