「浜野矩随」デジアナ論
落研きっての論客である古狂師匠の、デジタル・アナログ論。
まず、志ん生師匠の「名工矩随」と圓楽師匠の「浜野矩随」を比べます。
乱志さんの出し物「浜野矩随」いい噺です。先日CDで約35年前の円楽師匠のを聞きました。若狭屋、矩随、母親の切れの良いテンポに改めて芸の深さに感心しました。
同時に志ん生の「名工矩随」と聞き比べしましたが、これは長屋、骨董屋、時代の臭い、という風が見事に蘇ります。一言で言えば前者はデジタル流で後者はアナログ調です。
さて、乱志師匠の演技から何が蘇るか楽しみです。
そして、先日の私の噺を聴いてくださり、乱志は、母親、矩随、若狭屋をデジ・アナ調を駆使した見事な味付芸だったというコメントを頂戴しました。
要は、ストーリーとリズム・テンポで進める圓楽師匠はデジタル。
下町の風情と人情を際立たせる志ん生師匠はアナログであると・・。
そして、乱志はデジ・アナ調子だったということでしょうか・・・?

「浜野矩随」を何人かの噺家さんで聴きましたが、私には、若き日に最初に聴いたというインパクトもあり、圓楽師匠の運び方が一番良いと思いました。
志ん朝師匠も、志ん生バージョンで演っていますが、あの志ん朝師匠には珍しく、非常にテンポが緩い感じがします。
また、一門の弟子である楽太郎、竜楽さんは、恐らく圓楽師匠のものでしょうが、イメージが違う・・・。
あの時、鈴本演芸場で聴いた、圓楽師匠の「浜野矩随」がベストなのです。
ただし、その後は、聴き比べると、圓楽師匠のも、切れ味という面では、かなり鈍くなったと思います。
圓窓師匠からご指導いただいた、地の部分を極力カットして会話のみでストーリーを進めて行くという面からも、往年の圓楽師匠がベストです。
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