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2009年11月 1日 (日)

東京の落語界・壱

Guide_ph_03 演芸情報誌「東京かわら版」の「寄席演芸年間2009年版」によれば、東京の落語4団体(落語協会・落語芸術協会・立川流・圓楽一門会)に所属する噺家は、合計465人です。

これを階層別にみると、前座52人・二つ目106人・真打307人で、極端な逆ピラミッド型になっているのが分かります。

 一方、1983(昭和58)年の雑誌「落語界」によれば、前座37人・二つ目82人・真打143人の合計262人。

  

  ◇噺家数の推移

          1983年  2009年  増減

   真 打    143    307   (+164)

   二つ目         82           106         (+ 24)

      前  座     37           52         (+ 15)
      合  計          262           465         (+203)

もともと前座5年・二つ目10年・真打は終身という仕組みですから、このような形は必然ではありますが、エンターテインメント化による噺家の地位向上から入門者が増加、それに長寿化が相俟って、25年前に比べて真打は倍増しています。

Img_2かつての落語協会分裂騒動の発端は、大量真打問題でしたが、当時よりもこれだけ噺家が増えているにも拘わらず、表立った騒動や論争になっていないのは、騒動からの学習効果による、実に日本人的な対応によるものなのだと思います。

このような中で、一部に個別の事情や問題こそあれ、表面的には粛々と真打昇進や襲名が行われているのは、まずもってよしとすべきでしょう。

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