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2009年11月 2日 (月)

東京の落語界・弐

東京では、噺家の数も増え、定席だけでは到底受け止められないこと、前述したようなエンターテインメントの多様化、さらには社会貢献やボランティア意識の向上や定着という環境から、噺家自身や後援者や、ファンによる手作りの落語会が多く開かれるようになっていると思います。

0227houraku02 ひとつには、立川流や圓楽一門会など、寄席に出られない団体の、落語の場を作るための努力や試行錯誤の賜物ということもできるでしょう。

手作りの独演会を続けている噺家、ある若手を育てるために手弁当で落語会を主宰するご夫婦、趣味と営業を兼ねて店(飲食店)で落語会を開いている人、町おこしと趣味と若手育成のために場所を提供する人・・、それぞれ何人かの人と、接点やお付き合いがありますが、その情熱には、本当に頭の下がる思いです。

こういう草の根的な落語会が、今まで以上に落語界の基盤になることでしょう。

当然のことながら、寄席も古くから続いている落語会も、出版会社などのメジャーな企業が主催する新しい落語会も盛況で、「東京かわら版」には、毎月500以上にも及ぶ落語会の情報が掲載され、今日も明日も様々な企画の落語会が開かれているのです。

落語界はブームにも乗り、基本的には健全な流れになっており、この流れを噺家自身がしっかりと理解して、自浄力を発揮し続けることができれば、多くのファンに支持され、実力を備えて行けば、名人上手が大勢生まれて来ることでしょう。

今まさに、その胎動が始まり、名人上手を目指す中堅や若手が増えつつあるのは、本当に素晴らしいことだと思っています。

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