落語百選≪28≫
小南師匠は、昭和40〜50年代の頃に、落研主催の落語鑑賞会にご出演くださいました。
外見通りの穏やかで優しい師匠でした。
「野崎」の出囃子に乗って、ニコニコしながら高座に向かう姿が、まだ脳裏に残っています。
昭和52年の秋でした。
あの時のことを、記念誌「仙都に笑いを」で、私は以下のように述べています。
桂小南も、東京で上方弁を使った独特の落語が「小南落語」として知られる大看板で、昭和47年の第12回古典落語鑑賞会に出演してもらっていた。
今回も、出演者の実力と知名度もあり、加えて落研のメンバーには、前年・前々年で培った自信もある。
意を汲んでくれた1・2年生も全員が一生懸命になって頑張り、チケットの販売はじめ、準備は順調に進められた。
12月1日、「第15回古典落語鑑賞会」の会場の仙台市民会館小ホールは、昼夜共に満席になった。木戸銭は500円。
(中略)桂小南は、お囃子さんを連れて来て、寄席囃子の実演を見せるなど、落語だけでなく、ライフワークとしていた落語の”布教活動”の一端も披露してくれた。
落研からリクエストして番組に入れた、十八番の「菜刀息子(ながたんむすこ)」は、古典落語鑑賞会の中でも屈指の名演だったといえよう。
それにしても、あの身近になった師匠の在りし日々を読むというのも、嬉しいような、悲しいような・・。
それにしても、あの「菜刀息子」は素晴らしかったなぁ・・。
「菜刀を誂えて難渋いたしておりまぁす。」・・なんてねぇ。もう一度聴いてみたいものです。
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