落語CD昭和の名人≪17≫
≪父・志ん生を超えたかもしれない ”酒仙”の早すぎた54年≫
再評価著しい早世の噺家「金原亭馬生」。
昭和50年に初めて見た馬生師匠は、まだ40歳台だったんですね。父と同年輩ですが、おじいちゃんみたいだった。
古今亭志ん生の長男・古今亭志ん朝の兄という場所。
落研50周年の記念誌で、落研の主催する落語会に来てくださった時に、私が書いた馬生師匠の様子を、文末部分で再現してみることにしましょう。
馬生師匠が亡くなったのが昭和57年。享年54歳。若すぎる死でした。
弟の志ん朝師匠の影で、大変地味な存在ではあったものの、これからが馬生師匠の時代だったというのに・・・。
◇ 首ったけ 金原亭馬生
◇ 佐野山 金原亭馬生
◇ 初天神 金原亭馬生
もう少し長生き出来ていたら、もしかすると父志ん生を超えていたかもしれません。
昭和の名人五代目古今亭志ん生を父に、当代随一の人気と実力を備える古今亭志ん朝を弟に持つ、十代目金原亭馬生は、想像以上に小柄で地味な噺家だった。楽屋に入ってすぐにビールを注文。コップに注いで喉を湿す程度に軽く一口。今までに見たこともないような、不思議な雰囲気の人だ。(中略)楽屋に「師匠よろしくお願いします」と伝えに行くと、小さな声で「はいはい」と言いながら「ちょいとはばかりへ」と、トイレに入り、出て来てからもう一度、コップのビールを一口ふくむと、腰をかがめながら舞台の袖に向かう。後年、十代目金原亭馬生の思い出が語られる場合は、必ずこんな楽屋での仕草が出て来る。確かにそうだった。とても緊張したが、幸せな時間だった。
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