終戦の日
子どものころ、祖母がよく問わず語りに戦争の頃の話をしてくれました。
当時は、祖父の仕事の関係で台湾にいたそうですが、幼い私には、その重さや悲しみは理解できず、遠い昔の出来事のように感じていた気がします。
祖母は、長男を戦争で亡くしています。私の父の兄、伯父です。
祖母にとっては自慢の息子だったようですが、私にとっては、仏壇で軍服姿で笑っている写真の存在でしかありませんでした。不謹慎ながら、子供心に、「もし、この伯父さんが生きていたら、自分たちはこの家に住んでいなかったんだろうな」なんて・・・。
”たら”・”れぱ”はタブーですが、父も自分が両親の面倒をみるなどとは思っていないし、次男坊として育てられたのですが、いつの時だったか、祖母が私に、やはり問わず語りに「(伯父さんでなく)次男(=私の父)に面倒みてもらって良かった」とつぶやいたことがありました。
色々な意味で、あの時が祖母にとっての"終戦"だったのかもしれません。
多くの人に悲しみと苦しみだけを残した、あの悲惨な戦争が終わったのは、私が生まれるほんの10年あまり前でしかなかったことを思うと・・、改めて平和の尊さを感じます。
今日を「終戦"記念日"」だという人がいますが、やはり心情的には「終戦の日」なのでしょう。
落語は、平和が続いた江戸時代に創り出されたものですから、戦や戦争の噺は出て来ません。講釈や浪曲に様々な軍記物があるのに比べて、平和そのものです。それも落語の魅力だと思います。
(終戦の日について調べると・・・)
第二次世界大戦が終わった日であるが、「終戦の日」の定義は以下の4通りに分けられる。
- 1945年8月15日:日本軍の戦争当事者である昭和天皇が、戦争の終結を国民に告げた日。
- 1945年9月2日:ポツダム宣言受諾の降伏文書に調印した日。
- 1952年4月28日:日本本土において、第二次世界大戦後の米軍占領が終わった日。
- 1972年5月15日:沖縄において、第二次世界大戦後の米軍占領が終わった日。
日本本土が米軍占領下にあった1952年4月27日までの新聞紙上では、ポツダム宣言受諾の降伏文書に調印した9月2日を降伏の日や降伏記念日や敗戦記念日と呼んでいた。連合国の一員であったアメリカ合衆国では、9月2日を対日勝戦記念日として「V-Jデー」と呼んでいる。
現在、日本では、昭和天皇が国民に終戦を告げる玉音放送が行なわれた8月15日を「戦歿者を追悼し平和を祈念する日」とし、一般には終戦記念日や終戦の日と称し、政府主催の全国戦歿者追悼式や、政治団体、NPO等による平和集会が開かれる。