題名の違う同じ噺?
圓窓師匠が、浅草演芸ホール上席の夜の芝居に、弟子の萬窓さんと交互でご出演しています。
先日の高座で「牡丹餅大好き」という噺をお演りになりました。この噺は、熊本県の民話をもとに、師匠が創作した「創作・民話落語」です。
師匠のブログで、以下のようなやり取りがありました。
≪流三≫ 師匠、全く同じ噺でも、春は「牡丹餅大好き」、秋は「おはぎ大好き」になる訳ですね。こういうパターンの噺は珍しいですね。
≪師匠≫ よくぞ気が付いてくれました、、、。流三さんが最初の気付き人です。(笑)
同じ物でも季節によって名称が違うって、季節感の乏しくなった現代に立ち向かっているみたいですよ。
但し、ときどき両の名前を言ってしまうことがあるので、気も遣う噺です。
「牡丹餅」と「おはぎ」。
★こしあんがおはぎで、粒あんがぼたもち?
★米粒が残っているのがおはぎで、完全に餅になっているのがぼたもち?
★大きいのがぼたもちで、小さいのがおはぎ?
★全てひっくるめて、高級なのがおはぎ?庶民派がぼたもち?
実は、「ぼたもち」と「おはぎ」は基本的に同じもので、違うのは"食べる時期"だけなのです。ぼたもちとおはぎを漢字で書くと・・・・「牡丹餅」と「お萩」。
「ぼたもち」は、牡丹の季節、春のお彼岸に食べるものの事で、あずきの 粒をその季節に咲く「牡丹」に見立てたものです。一方、「おはぎ」は、萩の季節、秋のお彼岸に食べるものの事で、あずきの粒をその季節に咲く「萩」に見立てたものなのです。
だから、春・夏ぐらいは「牡丹餅」、秋・冬には「おはぎ」で演るのが良いのでしょう。
ところで、どこかの駅弁大学では「萩」が象徴になっています。東大は「銀杏」でしたね。この駅弁大学のは「宮城野萩(みやぎのはぎ)」というのだそうです。
旧制高校時代は、校章に「蜂」を使うなど、センスが良いというか、地味だというのか・・・。らしくていいですね。
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