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2009年7月26日 (日)

挙げ足とりと言い訳

こんな話題は気が向かないのですが、あまりに情けなく、反応も予想どおりなので、ちょいと触れることにしました。

バカタローの「働くことしか才能がない。80(歳)過ぎて遊びを覚えても遅い」発言に対する、野党の反応・・・。

2009072500000028jijppolview000 民主党の鳩山由紀夫代表は、「私の母は、85(歳)を過ぎてから韓流スターに会いたいとハングルを勉強し始めた。人生はまさにいろいろある。働くしか才能がないという言い方はどう考えてもおかしい」。

共産党の志位和夫委員長は、「(高齢者を)侮辱するような発言だ。国民の苦しみや願い、痛みに対してあまりにも鈍感で、そういうものに心を寄せる姿勢がない」。

社民党の福島瑞穂党首は、「首相は、いろんな人がいるのに十把一からげにして人々の生活を見ていない」。

2009072400000099sanpolview000これらに対して、これも予想どおりの拙い言い訳。 

「意図が正しく伝わっていない。申し上げたいのは、日本に元気で活力がある高齢者が多いということ。社会参加してもらい、働く場をつくる。それが活力ある明るい高齢化社会だ」。

恐らく、その場の聴衆に受けるように、「ここにいる皆さんは違うが・・」と言いたいのでしょう。

受けを狙って、ちょっと激しい・場違いな言葉でインパクトを強くしようと思っているのでしょう。・・でも、かえって聴衆は引いて、凍ってしまっているのに気がつかない。・・病気ですか・・

そして、一番の原因なのでしょうが、言葉がコミュニケーションの手段だということを知らず、そのための知識も語彙も少ないのでしょう。

「未曽有=みぞうゆう」は、麻生財閥・麻生家の<ローカル・ランゲージ>なのかもしれませんし、「さもしい」という言葉も、使う場所・意味が全く違っていました。

「蒟蒻問答」という噺があり、ちぐはぐなコミュニケーションの可笑しさが語られますが、党首討論などを見るにつけ、蒟蒻問答にもなっていません。

少なくとも、落語の中では、蒟蒻屋の六兵衛は「寺を守ろう」、修行僧の沙弥托善は「悟りを開こう」という、全く乱れのない目的があり、そのために必死に取り組んでいますから。

V1551 上州安中の在のある古寺は、長年住職のなり手がなく、荒れるに任されている。これを心配した村の世話人・蒟蒻屋の六兵衛は、江戸を食い詰めて自分のところに転がり込んできている八五郎に、出家してこの寺の住職になるように勧めたので、当人もどうせ行く当てのない身、二つ返事で承知して、にわか坊主ができあがった。二、三日はおとなしくしていた八五郎だが、だんだん本性をあらわし、毎日大酒を食らっては、寺男の権助と二人でくだを巻いている。

金がないので「葬式でもない日にゃあ、坊主の陰干しができる。早く誰かくたばりゃあがらねえか」とぼやいているところへ、玄関で「頼もう」と声がする。出てみると蘆白(あじろ)笠を手にした坊さん。越前永平寺の僧で沙弥托善と名乗り、諸国行脚の途中立ち寄ったが、看板に「葷酒(くんしゅ)山門に入るを許さず」とあるので禅寺と見受けた、ぜひご住職に一問答お願いしたいと言う。なんだかわけがわからないが、権助が言うには、問答に負けると如意棒でぶったたかれた上、笠一本で寺から追い出されるとのこと。住職は留守だと追っ払おうとしたが、しからば命の限りお待ち申すという。大変な坊主に見込まれたものだと、八五郎が逃げ支度をしていると、やって来たのが六兵衛。事情を聞くと、俺が退治してやろうと身代わりを買ってでた。「問答を仕掛けてきたら黙ったままでいるから、和尚は目も見えず口も利けないと言え。それで承知しやがらなかったら、咳払いを合図に飛びかかってぶち殺しちめえ」

さて翌日。住職に成りすました六兵衛と托善の対決。

「法界に魚あり、尾も無く頭もなく、中の鰭骨を保つ。大和尚、この義はいかに」六兵衛もとより何にも言わない。坊主、無言の行だと勘違いして、しからば拙僧もと、手で○を作ると六兵衛、両手で大きな○。十本の指を突き出すと、片手で五本の指を出す。三本の指にはアッカンべー。

托善、「恐れ入ったッ!!」と逃げだした。八五郎が追いかけてわけを聞くと「なかなか我等の及ぶところではござらん。
『天地の間は』と申すと『大海のごとし』というお答え。『十方世界は』と申せば『五戒で保つ』と仰せられ、『三尊の弥陀は』との問いには『目の下にあり』。いや恐れ入りました」。
六兵衛いわく、「ありゃ、にせ坊主に違えねえ。馬鹿にしゃあがって。俺が蒟蒻屋だてえことを知ってやがった。指で、てめえんとこの蒟蒻はこれっぱかりだってやがるから、こォんなに大きいと言ってやった。十でいくらだと抜かすから、五百だってえと、三百に負けろってえから、アカンベー」。

見事な、「仕草(仕立)オチ」です。

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