« 師匠から電話 | トップページ | 三遊亭竜楽独演会の案内 »

2009年7月 5日 (日)

「江戸検」?

200907022022000江戸文化歴史検定」、通称「江戸検」というのがあります。「エノケン」ではありません。もちろん「マツケン」でもありません。

とんでもない・品格のない・強欲な理事長がいた「漢字検定」というのもありますが、世の中とにかく「検定」ばやりです。

こういう類のものが、知識や教養を深め、そのレベルを測るというのも意味があるのかもしれませんが、手段が目的となるような、重箱の隅をつつくような問題などが出題されているとすれば、全く笑止千万です。

「江戸検」も、江戸開府400年などから、江戸ブームがピークの頃にスタートしたという記憶がありますが、今年で4回目なのだそうです。

そういえば、落語協会も「落語通検定」というのをやっています(いました?)。先日、落語協会のHPを見た時に探したのですが、見当たらなかったところをみると、もうクローズしたのでしょうか?

私もそうならないように厳に戒めているのですが、最近は"国民皆評論家"になっていて、半可通のくせに他人に中途半端な知識をひけらかしたりする人が、寄席や落語会に行っても、おおぜいいます。

最近は、「名人」・「匠」・「マイスター」・「カリスマ」が粗製乱造されています。「通」というのも、これらに近いものがありますよ。こういう人たちは、ごく少数だからこそ価値があるものです。

また、落語は、講談や浪曲などと異なり、あえて人や土地や時代を曖昧にして語られて来たものです。"誰だって・何処だって・何時だっていいじゃない"という精神が底流にあります。視聴者それぞれが壮大にイメージすることのできる(しなければ分からない)演芸ですから、これらを当てっこして「通」だ、なんて意味がない気がするのです。

例えば、演題。「あぁこれは"寿限無"だ。これは"子別れ"だ。」。これらは出し物が重ならないように、楽屋帳に記録するために、とりあえずつけられた記号みたいなものですから、"たらちね"という噺を"あ~らわが君"という題にしても、恐らく噺家さんなら分かるだろうし、それが演題となってしまいますよ。

例えば、人。熊さんのおかみさんは、"おみつさん"でも"おせん"さんでもいいじゃないですか。ただ、キャラクターや年齢などをイメージさせる場合はあります。"みいちゃん"や"おはなさん"は若い娘さん、"与太郎"や"甚兵衛さん"は、ちょっと足りない・ちょっと頼りないキャラクターですから、舞台設定の隠し味みたいなものでしょう。でも、名前なんて気にしなくたっていいでしょう。誰でも。

例えば、場所。吉原・浅草・向島・品川・・。明確に舞台を設定しているもの以外は、どこでも構わない気がします。封建制度のもと、狭かった江戸の街のことですから、貧乏長屋と言えばどこ、○○と言えばどこ、ということになるのでしょうが、あまり特定する必要もないでしょう。落語は人情・人の料簡を語るものですから、場所を特定しなくてもいいじゃないですか。何処でも。

例えば、時代。名暦の大火や忠臣蔵など、史実が出て来る噺を別にすれば、元禄時代でも、文化・文政時代でも、極端に言えば明治時代でも構わないでしょう。「むかしむかし・・」でいいじゃないですか。何時でも。

・・・そうそう「江戸検」。今年も物凄い数の受験者がチャレンジするのでしょう。あくまでも趣味の深さの一つの道しるべ、楽しみという位置づけならば、大変良いコンテンツだと思います。

「江戸文化歴史検定協会」が、儲けすぎて、個人の私腹を肥やしたりしないように・・・。もし、儲かったらば、千代田のお城の天守閣でも復元してもらいたいものです。

« 師匠から電話 | トップページ | 三遊亭竜楽独演会の案内 »

巷談」カテゴリの記事