ホリケンの江戸方落語家2008ベスト150
落研の田島先輩から、週刊文春の堀井憲一郎のコラムの情報。
見事に抜かりがありまして、今回(1月1日・8日号)の週刊文春のホリケンのコラムのランキングのことは初めて知りました。
早速、昨日の帰りに千代田区の図書館に寄って探してみましたが、残念ながら、お目当ての号は「貸出中」。
仕方がないので、分かる範囲で調べてみたところ、ベスト20と、50~90番あたりの名前が判明しました。
まずベスト20を挙げてみました。
0~談志・1~小三治・2~志の輔・3~小朝・4~権太楼・5~昇太・6~談春・7~志らく・8~喬太郎・9~さん喬・10~市馬・11~喜多八・12~たい平・13~花緑・14~白鳥・15~雲助・16~志ん輔・17~小遊三・18~菊之丞・19~歌武蔵・20~遊雀
※談志は声が出るか出ないか分からないので番外だそうで。
この後で21~50番で、人気のありそうな落語家などを挙げてみると・・・。
22~三三・25~鯉昇・33~白酒・34~扇辰・45~小満ん
50~90番の中では、ベテランも多く出て来ます。
56~圓蔵・66~馬風・61~玉の輔・62~圓窓・64~馬石・65~扇橋・66~馬生・68~鳳楽・69~圓菊・70~一之輔・73~好楽・75~菊志ん・80~笑三・84~伯楽・88~楽太郎(※一之輔は二つ目です。)
どの世界でも、また落語・落語家でも、ランキングがされたり、格付されたりしますが、特に芸術・芸能分野では、どうしても客観的なものにはなりづらいと思います。
いかにホリケンといえども、一定の期間で、全ての落語家の全ての噺を、それぞれ複数聴いている訳ではないと思います。
そもそも、自分の好きな落語家を選んで聴きに行っているはずですから、範囲は限定され、従って、良くも悪くも評価の偏りは大きいはずです。
私の場合でみると、昨年183回の寄席や落語会に行きましたが、芸術協会・圓楽一門会・立川流の寄席には行っていませんから、一部の落語家を除いて、聴いていません。
また、聴いた落語の数は、正確に数えていませんが、1回平均5席聴いていると仮定してもせいぜい1000席になるかどうかですから、専門的なことは分かりませんが、統計的な母数にはならないと思います。
それに、一番聴いた落語家が三三の37席でしたが、10席以上を聴けた落語家は、せいぜい10人あまりでしょう。
従って、こういうランキングというのは、個人的な好みという域を脱しないという前提で見て、何となくの全体の傾向とその人の好みが分かるということで理解すべきでしょう。
それから、例えば「私の好きな落語家ベスト10人」という形で、好きな落語家を順位をつけずに10人挙げるというなら理解できますが、15番と20番と30番の差、80番と81番の違いなど、根拠もないし、差別する意味もないと思います。
好きな落語家を挙げるのもせいぜい「ベスト30」ぐらいまででしょう。
個人的には、ごく一部の噺家の評価が極端に高く、それに付和雷同するファンがいるのはこういうものの弊害だと思います。しかも、こういうファンは声が大きいのでさらに厄介です。
また、世の評論家たちも、須らく見て聴いてでなく、マスコミ受けする(しそうな)噺家を強調するきらいがあり、ますます偏重していると感じます。
談志の評価は論外。小三治・志の輔・昇太などの極端な評価にも、天邪鬼な私には違和感があります。(勿論、彼らの実力・人気は人一倍認めていますが。〉
また、恐らく20番台そこそこには入っていると思いますが、私の好きな扇遊や圓太郎、新作の教祖のような圓丈などもランクが高くても良い気がしました。
落語家サイドで考えると、ある程度の実力に加えて、売り込み方の巧拙・露出度の高低がランキングに影響しますから、企画会社(芸能プロダクション)や裏方、後援会の有無も重要なポイントになるでしょう。「芸」よりも、「異」や「術」が大事なのかも。(※「異」~普通と変わっている部分・「術」~露出度を増す要領や運〉
いずれにしても、偏差値世代は、こういうランク付けを見ることで、自分の好みや判断の自信のなさを誤魔化して、安心しているのだと思います。
私は、まだまだ聴く落語家も落語の数も少なく、とてもランクを付けることはできません。
もっともっと聴いて、知らなかった、目立たない、本当に上手い落語家を探してみたいと思います。
ミシュランの三つ星レストランの料理よりも、普通の素材を生かし、普通に調理された、生成りのおいしい料理(落語家〉が見つけられたらいいですね。
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